2011年 WGCブリヂストンインビテーショナル

スコアを落したタイガーは、不完全燃焼な1日

2011/08/06 07:46
スコアを1つ落して36位タイまで後退したタイガー・ウッズ(Sam Greenwood/Getty Images)

12週間ぶりの復帰戦となるタイガーウッズの2日目は、パッティングに苦しみオーバーパーのラウンドになってしまった。初日は3バーディ、1ボギーの「68」としていたタイガーは2日目、4つのバーディを奪うものの、ボギーが3つ、ダブルボギーが1つとスコアを落とし1オーバー「71」。通算スコアは1アンダーとなり、順位は18位から36位タイまで下がってしまった。(注:この大会は36ホール時のカットラインがなく出場全選手が72ホールをプレーをする特別なイベント)

10番ホールからスタートしたタイガーは、12番で3メートルのバーディパットを左に引っかけてしまいチャンスを逃してしまう。14番ではティショットを左のバンカーに入れてしまい2オンが狙えずにレイアップ。3打目はピンに上手く寄せるもののなんと80cmの短いパーパットを外してしまいボギー。続く15番(パー3)ではグリーン左に引っかけてしまい連続ボギーとして通算イーブンパーに後退。その後16番(3m)、17番(2m)と連続バーディを奪いスタート時点の2アンダーに戻しターンをするが良い流れをつかむことができない。易しい2番のパー5でグリーンサイドからの3打目バンカーショットを寄せきれずにバーディを逃がしてしまう。

そして4番ではグリーン左手前からの比較的易しい寄せをミスしてしまいボギー。184ヤード設定の5番ではピン左2.3mに寄せてバウンスバックバーディ。しかしダブルボギーを叩いてしまったのは6番のパー4。ティショットは右のラフ、2打目は一番入れてはいけないグリーン左のバンカーに入れてしまう。3打目は下り傾斜にボールを止めることができず3オンも失敗。4打目も2.2メートルオーバーさせてしまったタイガーはボギーパットを外してしまう。幸いにも次の7番では7メートルのバーディパットを沈めスコアを一つ戻すが、不完全燃焼の一日となってしまった。

<ラウンド後のインタビュー>

今日のプレーを振り返って

タイガー:昨日のような良いパッティングをすることができませんでした。結果的にラウンドの流れ、勢いをつかむことができませんでした。

アイアンの距離感の問題は?

タイガー:他の選手がどうなのかわかりませんが、私は距離、クラブの選択に苦しんでいます。私のショットは飛びすぎてしまいます。昨日も話をしましたがボールを潰す感じが増している分距離が伸びています。この感覚に早く慣れて、数字を信じて打つことが必要です。こんなに距離が出ている事は過去なかったことです。

昨日は良い感触だったようですが、今日はどうでしたか?
タイガー:同じです。データ的には良い記録ではないかもしれませんがティショットの打感、出球のコントロール、左右に打ち分けるショットなど良い感じなんです。キャディとも話していたんですが糸をスーと引くような感じです。

パッティングに関しては?

タイガー:今日は良くなかったです。テークバックの軌道がいまいちでした。考えている軌道よりも下(インサイド)に入っていて良くなかったです。そうなると球は左に引っかかってしまうので(インパクト直前に)右に押し出す動作を加えてしまいます。結果的に押し出す動作をやり過ぎてしまい短いパットのミスを数回してしまいました。

<新生タイガー、注目すべきは“足”>

タイガーは復帰戦となるこの試合にいくつか変えてきたことがある。まずはこれまでメジャー14勝の内13勝を掴んだ相棒キャディ、スティーブ・ウイリアムス氏を解雇して(一時的に)幼なじみのB・ベル氏を指名。そして昨年夏までエースパターだったスコッティー・キャメロンのGSSパターを封印していたが、また今週使い始めている。そして契約先のナイキのゴルフシューズを軽量タイプのモデルに変えてきている。この靴のチェンジはこれまで多くのメディアが報道しているが今回一番の大きな変化はこの靴の鋲を金属製のモデルから非金属製のソフトスパイクにしていることに私は注目したい。

スイングコーチのショーン・フォーリー氏がタイガーと正式に契約を交わしスイング指導をし始めた昨年の秋、まずタイガーに試みて欲しいといったことが靴を脱いでボールを打つ練習だった。靴を履かないことで必要以上に下半身、足の動きを抑えるというドリル。タイガーが今週このソフトスパイクをトライしているということ・・イコール・・・足、下半身を激しく使わずに上半身と下半身がハーモナイズ(調和する動きを)を意図している狙いがあるはずだ。

昨日心配していたバンカーからの寄せは2番、6番とチャンスがあったがいずれも上手く寄せることはできなかった。また比較的簡単なアプローチの寄せ(15番、4番、6番の4打目)でも失敗。この辺はしばらく試合から遠ざかっている為に感覚が少し錆び付いてしまっている事もあるのだろうが、このようなミスを犯しているようでは優勝争いに加わることはできない。

残り36ホール、ショットの感触はとても良いと語るタイガーだが明日の3日目は熱い争いの中しっかりとアドレナリンを計算して正しいクラブ選択することが大事だ。ピン下に寄せて上りのパットを残していけば十分「64」「65」というビッグスコアも期待できるので楽しみだ。

★ラウンドデータ
通算68-71=139(1アンダー)

2日目71(1オーバー)

10番スタート
バックナイン35(イーブンパー)
フロントナイン36(1オーバー)

・バーディ:4ホール
・パー:10ホール
・ボギー:3ホール
・ダブルボギー:1ホール

・パー3:通算1アンダー
・パー4:通算3オーバー
・パー5:通算1アンダー

・フェアウェイキープ率:57.14%(14ホール中8ホール)
・パーオン率:61.11%(18ホール中11ホール)

・合計パット数:29パット(3パットなし)
・平均パット数(パーオンホールのみ):1.636パット

・バンカーセーブ:2回中0回1パット(0%)

・ドライビングディスタンス(計測指定ホール2番294ヤード、16番315ヤード)
2ホール平均304.5ヤード

解説/アンディー和田
(ゴルフチャンネルトーナメント解説者)

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