2011年 WGC キャデラック選手権

【GDOEYE】米国男子ツアーがコース内での携帯電話の使用を一部容認

2011/03/14 10:42
「WGC キャデラック選手権」のコース内にも携帯電話が使用可能な区域が設けられていた

米国男子ツアー(PGATOUR)では前週の「ザ・ホンダクラシック」から新たな施策を取り入れた。それは、ゴルフ観戦で日本でもたびたび問題に上げられる携帯電話のこと。これまでツアー側は、特にギャラリーのコース内における携帯電話の使用について取り締まってきたが、同大会からそれを“容認”する方針を示している。

もちろん通話や着信音、カメラ撮影などは、集中力を研ぎ澄ました選手のプレーに直接影響を与えるため、使用にはプレーの邪魔にならないような場所に制限区域が設けられている。

海外ツアーのこれまでの取り締まりは、日本国内のトーナメントに比べて厳しいものだった。マスターズに代表されるメジャー大会などではなおさらだ。4日間トータルで数万人が訪れるビッグイベントには、テロ対策も含めて入場ゲートでは持ち物検査が徹底され、携帯電話は会場を離れるまで預かってもらう。コース内での使用が見つかろうものなら、問答無用で係員に取り上げられるシーンも珍しくなかった。

しかしこの取締りに莫大な手間や費用がかさむこと、結局はモラルのない一部の悪質なギャラリーとの“いたちごっこ”になっている現状、そしてビジネスツールや緊急連絡手段としての携帯電話を持ち込ませないこと自体が、ファンサービスの低下につながるという懸念から、数試合のテストを経て今回の決定に至ったという。「携帯電話が現代の生活における大切な一部であることに、我々も理解を示した」と同ツアーのアンディ・パズラー氏。

今後、ギャラリーやメディア、コース内のスタッフにも、一層の自覚と責任が求められることは言うまでもない。

そして国内の大震災直後、通常の電話回線が混線し、メールやツイッター、スカイプといった新しいツールで情報を交換し合う今、ケータイが、もはや“ただの”携帯電話に留まらなくなったことを改めて実感した。(編集部・桂川洋一)

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