2010年 全米プロゴルフ選手権

タイガー「メジャーで勝てなかったのは残念」

2010/08/16 12:51
6番パー4で1オンを狙ったタイガー。結果は右サイドのバンカーへ

2010年度の最後のメジャー戦「全米プロゴルフ選手権」最終ラウンド、タイガー・ウッズは10時44分にプレーを開始した。通算3アンダーのタイガーは、3日間54ホールを終えた時点で通算13アンダーのニック・ワトニーとは10ショットという大差。最終日の気温は27度前後。初日から3日目までは南南東の風が吹いていたが、今日は強い西風が吹き難しいコンディションとなっていた。

タイガーは1番、2番と連続バーディ、その後4番、7番でもバーディを奪い意地を見せた。しかしミスショットがボギーに繋がってしまい3番、6番、9番でボギー、10番はダブルボギーと出入りの激しいゴルフを展開。バックナインもタイガーは攻めるゴルフを試みたが、フェアウェイにボールを置くことができなかったのと、パットを沈める事ができずバーディなし。結局、最終日は4つのバーディに対しボギー3個とダブルボギー1個で73ストローク。通算2アンダーの28位タイで今シーズン最後のメジャー競技を終了した。

1番ホール、タイガーは3番ウッドでフェアウェイを捕らえ、良いスタート。2打目をピン右横2.5メートルにつけてバーディ。2番はラフから果敢に2オンを狙い連続バーディ。サンデーチャージの予感を感じさせたが、3番のパー3ではグリーンをオーバーしてしまいボギー。続く4番では2打目をピン根元にピタリと寄せて3つ目のバーディを奪ったが、5番のパー5ではティショットを大きく右に曲げてしまい、パーとしてしまったあと距離の短い6番(332ヤード)ではアプローチをミスしてしまいボギー。ピンが右手前という7番パー3ではティショットをピン下3メートルに寄せて4つめのバーディとするが、続く9番では3パットを喫してしまって今日3つめのボギー。フロントナインは1アンダーの「35」でターンした。10番ではドライバーでグリーン右手前を果敢に狙う攻めのゴルフを試みたが、球は左に大きく曲がってしまいトラブル。このホールはダブルボギーとなり、サンデーチャージの勢いはここで止まってしまった。

プレー後のインタビュー

(今日はいいスタートでしたね)
最初の4ホールはミスショットなしで良かったですが、そのあとはショットがダメでした。

(今年を振り返って)
メジャー競技で優勝できなかったのはとても残念です。素晴らしい年にするにはメジャー競技で優勝しないといけません。昨年は6勝していい年でしたが、メジャー優勝がなかったので「素晴らしい」と呼べるような年ではなかったです。

(最終日のプレーの内容)
今日はアイアンショットは良かったですが、ティショットが良くなかったです。うまく打つことができませんでした。3番ウッドでのティショットは良かったのですが、ドライバーの感覚を掴めませんでした。練習場では良かったのですが、(コースでは)うまく打てませんでした。

(ライダーカップについて)
個人戦で貢献できると思いますよ。先週よりもゴルフの内容は良くなっています。もう少し時間があれば更にいい方向に行くことでしょう。試合は楽しみにしています。コーリー(ペイビン キャプテン)が推薦をして出場できる事を望みます。

(新しいスイングコーチ、ショーン・フォーリー氏 との会話について)
今週私のスイングを見てくださいと頼みました。何かアイデアや意見があれば聞かせて欲しいとお願いしました。彼の意見については、いくつかの意見が良いと思いました。実際に試してみるといいショットやいいフィーリングを感じ取れました。打感も良かったですし、ショットをうまく打ち分けることができました。今後も彼とは話を続けると思いますし、意見を取り入れると思います。彼のすべてのスイング理論を理解したわけではではありません。その前に彼ともっと話し合いをする予定です。

優勝したカイマーが4日間パー5で6アンダー、プレーオフで敗れたバッバ・ワトソンがパー5で9アンダーとスコアを伸ばす中、タイガーは12回のパー5を通算イーブンパーとしてスコアを伸ばすことができなかった。パー4では3番ウッドでフェアウェイを捕らえていたが、ドライバーだと左に曲げてしまうことが多く苦しい展開となっていた。

前週の結果、そしてショットの内容も悪すぎただけに、今週はスイング修正プラス新しいコーチからのアイデアと、試行錯誤だったタイガー。インタビューを聞いていても、とても勝負争い、バトルモードにはほど遠かったと感じた。

新しいコーチとのスイング修正はどこまで本格的に試していくのか? ハンター・メイハンジャスティン・ローズショーン・オヘアーを格段レベルアップさせたショーン・フォーリー氏のインサイド、ボディーターン打法は、現在タイガーが実践している腕の動きやフラットスイングプレーンからは異なる理論。新しい理論での練習は、タイガーにとっていい刺激にもなるだろうし、これまでのマンネリ化してしまったドリルよりも効果があるはず。今後はタイガーのドライビングレンジでの練習の仕方やドリルに興味が高まるだろう。

タイガーの今後の出場予定だが、現在 FedExカップのポイントレースは108位。あと1試合で上位125位までのランクが決まる事になるが、タイガーの現在のランキングを考えると、プレーオフ緒戦で敗退が決まり残り3試合には出場できない可能性もある。そうなると2週間後の「バークレイズ」が今年アメリカでのPGAツアー参戦最終試合となる。キャプテン推薦で出場濃厚の「ライダーカップ」の団体戦(英国開催)以外には、中国開催の世界ゴルフ選手権「WGC HSBC チャンピオンズ」、オーストラリア開催の「豪州マスターズ」、そしてタイガー自身がホスト役を務める「シェブロン ワールド チャレンジ」(ツアー非公式試合)が、今年タイガーがプレーする残りの試合となる。

プライベートな問題を含めて今のタイガーを癒すには時間が必要。来年の「マスターズ」までは7ヶ月半ある。この時間が十分かどうかはわからないが、バトルモードとなるタイガーが戦いのフィールドに戻ってくるまで我々ゴルフファンは温かく、根気強く見守っていこう。 必ずあの笑顔、あのガッツポーズのタイガーは戻って来るはずだから。

★ラウンド データ
71-70-72-73 = 286ストローク(通算2アンダー)

最終日
73(35-38) 1オーバー

・バーディ: 4ホール
・パー: 10ホール
・ボギー: 3ホール
・ダブルボギー: 1ホール
・パー3: 通算イーブンパー
・パー4: 通算2オーバー
・パー5: 通算1アンダー
・フェアウェイキープ率: 21.42% (14ホール中 3ホール)
・パーオン率: 55.55% (18ホール中 10ホール)
・合計パット数: 28パット
・ドライビングディスタンス 2ホール平均 289.5ヤード(2番308ヤード、11番271ヤード)

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