【GDO EYE】夕闇の中のゴルファー
2010/07/14 08:21
セントアンドリュースに到着した月曜日、早めに宿舎へ戻って食事を済ませ、21時過ぎにふらっと街へ散歩に出た。オールドコースまでは徒歩5分ほどの距離。道端のショーウィンドウやバーを眺めながら、コースへと歩いてみた。
そんな時間でもまだ空は明るい。コース整備の人がグリーンやティグラウンドの芝を刈っていたが、ふと見ると一人の選手が17番のフェアウェイからグリーンへと歩いてくる。グリーンに向かって何発かアプローチをすると、左脇の茂みの方へと声を掛けた。
すると、そこからひょっこりと2~3歳の男の子が飛び出してきた。パターを持って、お父さんの背中を追いかける。親子揃って18番ティに行くと、今度は右側の柵の外に向かって手招きをした。待っていたかのように元気な女の子が走り寄ってくる。そして、その後ろからはベビーカーを押した奥さんらしき人物の姿が。
その選手は、ベビーカーの中の赤ん坊を抱きかかえ、家族揃ってスウィルカンブリッジで記念撮影。写真を撮り終えると、その選手一家は満足そうに17番方向へと引き上げていった。
柵の外からその一部始終を眺めていたが、この「全英オープン」に出場することの偉大さが、突然実感として込み上げてきた。普通の人ではその場に立つことさえ許されない。プロゴルファーという職業のカッコ良さが、鳥肌が立つように襲ってきた。そんな精鋭達ばかりが集まった今年の「全英オープン」が間もなく開幕する。(編集部:今岡涼太)