2010年 全米オープン

風光明媚なペブルビーチに潜む、多くの罠

2010/06/16 15:58
練習ラウンドでは、どのプレーヤーもグリーン周りに時間をかける

17日(木)に開幕が迫る海外メジャー第2戦「全米オープン」。舞台となるペブルビーチゴルフリンクスは太平洋に面した風光明媚なコースとして知られるが、その難度もツアー屈指を誇る。加えてメジャー仕様のセッティングに仕立てられ、コースの全長も2月開催の「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」と比較して224ヤードも伸びた。その他にも数々の要素が潜み、今回出場する日本人プレーヤーも口々に難しさを語っている。

まずは、太平洋から吹きつける海風。石川遼谷口徹も、「風が重く感じる」と日本とは異質の風に警戒を示す。風が一方通行ならば戦略を練ることもできるが、時にはアゲンストがフォローに変わったりと、プレーヤーの判断を迷わす罠となる。実に9ホールが海に面しており、時間帯によっても強さが変わってくるので、午前・午後のスタート時間によって条件が大きく変わる可能性も孕んでいる。

フェアウェイは比較的広いものの、アンジュレーションが強い上に芝は海に向かって順目になっており、落としどころによってはラフやバンカーへ転がり込んでしまう。さらにグリーンが小さい上にアンジュレーションも強く、グリーンに乗せることすら容易ではない。池田勇太は「アプローチがカギになる」と言えば、横尾要も「アプローチとパットで頑張るしかない」と警戒を深める。

グリーンに乗っても油断は禁物だ。クセが強く、時に予想外の転がりを見せる西海岸特有のポアナ芝。今シーズン平均パット数2位につける藤田寛之も、「じゃじゃ馬グリーン」と表現するほど。谷口は「強く打つこと」をポイントに挙げるなど、ショートパットを残しても最後のカップインまで緊張感のある1打を残すことになる。

これらの要素が絡まり合い、メジャーでも屈指の難コースとして選手を迎えるペブルビーチ。池田も「ガマン比べでしょう。普通に考えたら(4日間で)イーブンで回るのも難しいと思う」と話す。攻撃的、堅実さ、あらゆるタイプの実力者たちが揃う中、最終的にカップを手にするのは誰になるのか。

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