「自分のプレーがどれだけ通じるか」 金谷拓実は今年こそ“遠い場所”へ
◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 事前(23日)◇アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉)◇7079yd(パー70)
「この大会は意気込みすぎちゃうので」。米ツアーで唯一日本が舞台になる特別な試合は、つい力が入る。金谷拓実は今年で5年連続5回目の出場。東北福祉大の先輩である松山英樹と戦える数少ない機会でもあるだけに、気持ちが入りすぎてしまうのも無理はなかった。
初出場は、コロナ禍により米カリフォルニア州で行われた2020年の第2回大会。プロ転向から2戦目で海を渡り、ロールモデルとする松山の背中を追いかけて41位で終えた。
開催コースを当地に戻した翌21年は、最終18番で松山の優勝を見届けた。自身も7位で終えたが、「(優勝争いは)遠い場所」と厳しく評価。第4回(53位)、第5回(31位)と思うような結果を残せず、大会ラストイヤーの今年が雪辱を果たす最後のチャンスになる。
今年は4月の開幕戦優勝から2勝目が遠かったが、直近3試合は「バンテリン東海クラシック」2位、「ACNチャンピオンシップ」優勝、「日本オープン」4位と上り調子。「夏までは自分らしいプレーができていなかったけど、徐々に良くなっている」と好調をキープして乗り込んだ。「PGAの選手に自分のプレーがどれだけ通じるか。とにかく優勝した自信を持って自分のプレーをする」と、逸る気持ちを抑えるようにテーマを掲げる。
松山とは、前日のパッティンググリーンで会話を交わす機会があったという。「優勝した試合(ACNチャンピオンシップ)とかテレビで見ていただいていたので、その時の話や近況などを話しました」と、この時ばかりは声のトーンを上げた。
「ミドルホールが難しく感じるコース。フェアウェイに置かないと難しくなる」と、ポイントに挙げるのは自身の持ち味でもあるショットの精度。「自分らしいプレーを続ける」。会見中、自らに言い聞かせるように何度も繰り返した。(千葉県印西市/松島流星)