「メジャーでまた勝ちたい」アダム・スコットが横浜でジュニアレッスンを実施
2013年の「マスターズ」王者アダム・スコット(オーストラリア)が15日、神奈川県の横浜CCでジュニア向けイベント「Future Golfers Seminar 2024 with Adam Scott」を開催した。契約を結ぶユニクロとのタッグで初回の2015年から7回目の実施。前週の「日本オープン」出場を経て学生ゴルファーに金言を送り、自らの夢を語った。
イベントには関東在住の高校生を中心にトップジュニア19人が参加した。スコットはウェッジやアイアンショットのウォームアップに始まり、デモンストレーションでドライバーショットも放った。バンカーでも多彩な技を披露した後は、ニアピン対決も実施。パー3のティショットに挑戦したジュニアの誰よりもカップに近づけ、実力を見せつけた。
クラブハウス内では講義を行い、今後のゴルフ界を背負う若手にメッセージを投げかけた。スコットは幼い頃から19歳まで父に師事。「両親がとても協力的で、自分を応援し続けてくれたことが幸運だった。ゴルファーのDNAは一人ひとり違っていて、僕に合うものをずっと提供し続けてくれた」と当時を振り返る。「スコアが悪くて怒られたことはなかったけれど、(ゴルフと向き合う)態度については注意された」父子関係だった。
大ベテランの域に達した44歳は「今も常に夢を追いかけている」と熱っぽく語った。「僕は若い時から後悔することが少なく、いつも今やるべきことをこなしていけば、次が見えてくるとポジティブに考えてきた」
通算14勝をマークしてきたPGAツアーは近年、若手の台頭が著しく、30歳前後のエリート選手に脂がのっている。「ロリー・マキロイやスコッティ・シェフラー、ザンダー・シャウフェレを相手にするのは本当に大変なんだ」と苦笑いしつつ、「またメジャーを、もう1回勝ちたいと思っている」とジュニアに真剣な眼差しを向けた。
2020年「ジェネシス招待」以来のタイトルを追いかけた今季、9月初旬に閉幕したフェデックスカップではプレーオフシリーズ最終戦「ツアー選手権」に出場した。「シーズンの前半戦は可もなく不可もないゴルフで楽しくなかったけれど、後半に2回2位に入れた(スコットランドオープン、BMW選手権)こと、フェデックスカップを4位(タイ)で終えられたのは来シーズンに向けて前向きになれる要素」と胸を張れる。
来年7月には45歳になる。「僕にはやりたいことがまだある。若い選手をこうやって見ること、彼らに伝えていくことも今後さらにやっていきたい」とプロ意識に陰りは見られなかった。(編集部・桂川洋一)