チップイン披露も「全然足りない」 中島啓太はアプローチの課題を痛感

◇パリ五輪 男子 2日目（2日）◇ル・ゴルフ・ナショナル（フランス）◇7174yd（パー71）

中島啓太がボギーを先行した2番（パー3）は池に近い左ピン。広い右サイドを使って多少奥に行くのは仕方ないと覚悟していた。カラーからこぼれたラフは左下がりのライで、下っていくライン。当然、ピンの向こう側に広がる池も気になるシチュエーションだ。クローズスタンスの構えは左足を“壁”にして飛び過ぎを防ぎつつ、インパクトで緩まない意識の表れだったが、大きくショートするミスでスコアを落とした。

後半17番も右奥ピンに対して近い右奥に外す厳しい状況だったとはいえ、「もっとほかに打ち方の種類があれば、寄せられる可能性はあった。全然足りないですね」。連日の「70」はディフェンス面の引き出し不足を痛感する18ホールでもあっただけに、「伸ばせはしましたけど、全然いいゴルフはできていない」と表情が曇った。

同じ日本代表の松山英樹らがけん引するリーダーボードを見れば、トップは通算11アンダーと9ストローク離された。トーマス・デトリー（ベルギー）の「63」を筆頭に、トミー・フリートウッドとマシュー・フィッツパトリックの英国代表、シュテファン・イエーガー（ドイツ）が「64」とビッグスコアを出す選手が確実にいる。

「フェアウェイから打てて、自信を持ってピンを攻められれば、チャンスにはたくさんつくと思う。その先にちょっとあるリスクを警戒しすぎているのかな」。抑えて距離感を合わせるショットや外した時のリカバリーに一抹の不安を残す状態では、どうしても攻め手も鈍る。

13番はグリーン左から30ydほどのチップインバーディを決めた。ショートゲームでギャラリーを大きく沸かせた場面も「あそこ（グリーンの大きく左）に打っている時点で、かなりひどいですし…」。派手な一撃を手放しに喜べなかった。

「結果が求められている試合だと思う。自分のできるベストな攻め方をして、できるだけ積極的に行きたい」。可能性を広げるためには、3日目の爆発が求められる。（フランス・ギュイヤンクール／亀山泰宏）