2024年 パリ五輪

「現時点で“その程度”しか…」中島啓太はコントロールショットに苦心

2024/08/02 05:11
中島啓太は初出場のオリンピックで1アンダー29位スタート

◇パリ五輪 男子 初日(1日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇7174yd(パー71)

初出場のオリンピックはスタートホールからツアーとはひと味違う。同組3人が並んで名前をコールされるテレビ向けとも言える演出。中島啓太は「特別な一週間。いい緊張、いい集中力でスタートできた」と振り返る。

アマチュア時代に慣れ親しんだ日の丸を背負って

池が絡む1番、2番(パー3)とタフな出だし2ホールを乗り切り、4番でボギーが先行しても5番でバウンスバック。6番では左のセミラフからベタピンに絡め、9番(パー5)も4m弱のチャンスを逃さず2アンダーで折り返した。

伸ばし合いの展開についていきたい中で喫した後半の2ボギーに現状のもどかしさがにじむ。168yd設定の11番(パー3)は9Iで打てる距離。8Iでカットして距離を落とすイメージで右手前のピンを狙ったが、逆球が出て長いバーディトライを残し、3パットボギーにつながった。ティショットを右の池に入れた15番も、UTで距離を抑えようとしてミスにつながった。

ショット面で悩みを抱えている

「ミスショットがボギーになっている。現時点では“その程度”のショットしか打てなかった」と強い言葉で切り捨てたのは、課題を明確に認識しているからでもある。「緊張感があって、アドレナリンが出ている中で平常心を保ってコントロールショットをしたり、(抑えて)距離感を出すショットをできるイメージが、今は全くない。フルスイング、強いスイングをしないとコントロールできない。そこに頼り過ぎている分、ビトウィーン(番手間)のところでかなりフルショットをしている」。選択肢が限られれば、スコアメークに無理が生じる場面も受け入れるしかない。

首位発進の松山英樹に少しでも追いつきたい

大会前、一緒に練習ラウンドを重ねた日本代表のチームメートでもある松山英樹が8アンダー「63」で飛び出す展開。「あまり良さそうではないのかなっていう風には見えていましたけど、やっぱり試合でパフォーマンスを出してくるというのは、僕も皆さんも分かっていること。僕もついていって、トップと7打差のイメージで練習したい」。万全ではなくても、試合の中でまとめてくるのが偉大な先輩の底力。1アンダー29位スタートから、必死に背中を追いかける。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)

草原に吹かれて
大きな雲の下で
池を越えて
絵になる男
アプローチショットを放つ

2024年 パリ五輪