金メダルか、グリーンジャケットか 松山英樹「日本国民に対してだったら…」
◇パリ五輪 男子 事前(29日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇7174yd(パー71)
幼い頃から憧れたメジャータイトルか、アスリートにとって夢の象徴ともいえる金メダルか。2016年「リオデジャネイロ五輪」で112年ぶりに競技に復活して以降、ゴルフ界で取りざたされてきた議論だ。
2021年「マスターズ」でアジア勢初制覇を成し遂げ、ゴルファーにとって最高級の栄誉といえるグリーンジャケットをつかんだ松山英樹。同年「東京五輪」では母国開催の期待を一身に背負って銅メダルをかけたプレーオフまで戦い抜き、惜しくも敗れた。
29日の公式会見ではメジャー優勝と金メダルの重みについて比較を求められ、「今週がメジャーだったらメジャーって言いますし、今週はオリンピックなのでオリンピックって言います」と冗談めかしつつ、私見を述べた。
「グリーンジャケットは、ゴルフをしている人たちは全員分かると思う。逆にゴルフを知らない人たちは分からない部分もあると思う。日本国民に対してだったら、金メダルの方が価値は大きいと思いますけど、ゴルファーからしたら、グリーンジャケットの方が大きいんじゃないかなと思います」
歴史の積み重ね、フィールドの分厚さなどに鑑みれば、ゴルフ界でメジャーを頂点とする位置づけは明らか。一方で松山自身、パリ五輪を前にメダルへの意識に“変化”も生まれているという。
「メダルに対しての思いっていうのは、ほかの競技を見ていて、すごく感じるところはあります」と話し、きっかけについても明かした。
「ことし仲良くなった人が、残念ながらオリンピックでプレーできなくなった。その人の姿を見ていると、オリンピックでプレーすることの特別さを理解した…いや、しきれてはいないと思うんですけど、すごいことなんだなと改めて思ったので、出られなくなった人たちの分も、しっかり頑張っていきたいなと思います」
モチベーション高く、2度目の五輪に臨む。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)