中島啓太は欧州メンバーとして初の「全英」 過去2度の挑戦から変わる位置づけ
◇メジャー最終戦◇全英オープン 事前(16日)◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇7385 yd(パー71)
中島啓太にとって3度目の「全英オープン」は、予選通過の意味合いが今までとは少し変わってくる。「今週も次のロレックスシリーズも、後半戦はポイントが高いですし全部大事」。欧州ツアーメンバーとして迎える今年は、来季PGAツアーへの道が深く関わってくるからだ。
欧州ツアーに主戦場を移した今季は、年間ポイントレースでトップ10(有資格者を除く)に入り来季PGAツアーへの昇格を目指している。3月「ヒーローインディアンオープン」で同ツアー初優勝を挙げるなど、現在はポイントレース25位。メジャーをタイトルの重みだけでなく、ランキングを上げるための重要な一戦と捉えている。
いずれも予選落ちに終わった過去2度の全英は、どちらもスポット参戦だった。22年は「アジアアマ」優勝の資格でアマチュアとして参戦。昨年は日本ツアーで賞金王を争う中、「ミズノオープン」2位の資格で出場を決めた。今年はインターナショナルフェデレーションランキング上位5人に入ってフィールド入り。「今回は“メジャーに来ている”というより、3連戦の最後の試合」と位置づけ、2週前より「BMWインターナショナルオープン」(20位)、「スコットランドオープン」(予選落ち)を経てメジャーに入ってきた。
もちろん、前週にリンクスコースで試合をして全英に入るのも初めてのこと。「先週は予選落ちしましたけど、2日目に良いゴルフができた。リンクスは好きですし、ペナルティが多い分、良いところに打ったらチャンスもある」とフラットな気持ちで開幕へ備えている。
今週は杉澤伸章氏にキャディを頼み、2週後の「パリ五輪」までタッグを組む予定。杉澤氏は同コースで行われた2004年大会で、丸山茂樹のキャディとして帯同した経験を持つ。「相談しながらやっています」と、この日は9ホールを回ってコースチェックを行った。
今季は海外での欧州ツアー9試合に出場して経験値も増えた。「狭いホールでもドライバーを打ったり、そういうところは去年と違う。できるだけアグレッシブに行きたい」。まずは、海外メジャー6度目の出場で初めての予選通過を目指す。(スコットランド・トゥルーン/谷口愛純)