2024年 パリ五輪

「メダルを目指して頑張りたい」 メジャーと五輪を控える中島啓太が渡欧

2024/07/01 08:37
次に帰国するのは「パリ五輪」を終えてから。中島啓太が渡欧した

フランスで8月に開幕する「パリ五輪」男子ゴルフの出場権を得た中島啓太が6月30日、主戦場の欧州ツアー「BMWインターナショナルオープン」(7月4日開幕)に出場するため、羽田空港からドイツに向けて出国した。

1カ月前にドイツで行われた「ヨーロピアンオープン」を6位で終えた後、「右の足裏の母趾球を少し痛めてしまって。スイングで右足が前体重になり、継続的にプレッシャーがかかったことで痛みが出た」と帰国した。病院で「種子骨障害」と診断を受けたが、この1カ月間を休養に充てたことで、練習とトレーニングができる状態に回復。患部については「問題ありません」と話し、不安材料を払しょくして渡欧した。

パリ五輪の男子ゴルフ開幕まで1カ月。7年以上にわたって在籍したナショナルチームで背負った日の丸を、プロになって再び背負える喜びは大きい。26日にセーヌ川で行われる開会式にも「出たい」と参加するつもり。会場のル・ゴルフ ナショナルは、アマチュア最後の試合として臨んだ2022年「アイゼンハワートロフィー 世界アマチュアゴルフチーム選手権」と同じコースで、アマからの巣立ちを迎え「最終ホールで号泣した」という思い出が残る地でもある。

中島にとって、オリンピックは「アスリートとして最高の舞台」という位置づけ。メダルを持ち帰ったら「家のジムをもっと良くしていきたいし、そこにメダルを飾りたい。もっと自分に投資ができれば」と思い描く。世界アマチュアゴルフチーム選手権に臨んだ当時のチームミーティングでは、「『一球、一球に魂を込めて打ちましょう』と話した」という。「今はプロになったので、もっと質のいい、魂のこもったボールを打てれば。日の丸を背負っているという自覚を持ちながらメダルを目指して頑張りたい」と意気込んだ。

一方で、五輪と同じくらい高く目標に置く一戦も控えている。ドイツ、スコットランドの2連戦を経て、7月14日に開幕する今季メジャー最終戦「全英オープン」(スコットランド・ロイヤルトゥルーン)に挑む。アマチュア時代を含めてメジャーで予選通過できていないことに「そこは悔しいし、どうしても苦手意識を持ってしまう」と話す、挑戦者としての立場が続く大舞台だ。

「スポット参戦すると、どうしても“メジャー”を意識してしまうところがあったけど、今回は3連戦の最後がメジャー。今までと違うような感覚でプレーできると思う」。当地でヘンリック・ステンソン(スウェーデン)とフィル・ミケルソンが死闘を繰り広げた2016年大会の動画もYouTubeでチェック済み。「一打ずつ積み重ねてオリンピックにつなげたい」と誓った。(編集部・石井操)

2024年 パリ五輪