久常涼2度目のメジャーへ 日本の高麗芝に似ている?
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前(14日)◇バルハラGC(ケンタッキー州)◇7609yd(パー71)
4月「マスターズ」に続き2度目のメジャーを迎える久常涼。月曜日(13日)に会場入りすると、すぐさま18ホールを回って精力的にコースをチェックした。翌火曜日は雷雨による中断で練習ラウンドは7番ホールで切り上げた。「雨予報だと分かっていたので、今日はイケるところまで回りました」と、クラブハウスに上がってきたその表情にはどこか余裕が見えた。
前回のメジャーは、「オーガスタでだいぶ舞い上がりながらゴルフしてしまった」と浮足立っていたのを自身でも認めた。その反省もあり、「でも今週はいつもの試合と変わらず準備できています。その感じでやっていければいいかな」と、苦い経験を上手く活かしているようだ。
久常が少し余裕を感じるのには、練習ラウンドで感じたコースの印象も影響している。「なんか芝がちょっと高麗っぽいというか。少し浮く感じがあるんですよね。(ドライバーを)フェアウェイにしっかり打っていければ、その辺はチャンスあるんじゃないかなと勝手に思っています」。コースの芝は日本の高麗系に近いゼオン・ゾイシア芝。日本の芝に似たフェアウェイは、気持ちよくアイアンショットが打てる。
約1.4ラウンド(25ホール)の練習ラウンドを終えて、スコアが出せそうな感覚もつかんでいた。「今週ももちろんタフなのはタフなんですけど、 その辺は毎週一緒なんで。まだ逃げられるスペースも少しある気がするので、そういったところをうまく使いつつプレーできればいいかな」。グリーン周りの刈り込まれたカラーも活用していくつもりだ。
これまでの約4カ月間、PGAツアーでもまれ、ハードなコースセッティングでのスコアの出し方などもつかんできた。もちろんツアーの厳しさも同時に経験してきているから、「毎週カットラインを見ながらの戦いなので、それは多分今週も変わらないだろうし、そのいい緊張感の中で今週もしっかり予選通ってプレーできればいいかなと思っています」と警戒した。
月曜日の18ホールの練習ラウンドのうち、半分は松山英樹と一緒にした。先輩のエキスを吸収することにも抜かりはなかった。
「世界トップ5に入るような選手が日本人でいて、一番近くでいつもこうやって練習させてもらえる環境はすごくありがたいです。やっぱり松山さんを見て得られるものがめちゃくちゃありますし、本当にそれをいい感じに盗ませてもらっています。それを自分の力にというか、スキルに変えていければいいなと」
これだけ人懐っこい後輩に「一緒に回ってください」と言われれば、松山も首を横には振れないだろう。何を教わったのかを聞くと「そこは企業秘密でしょう」とニヤリ。
「全米プロ」のバルハラGCでの前々回大会(2000年)、タイガー・ウッズが優勝したときは「まだ生まれてなかったですね」という久常。彼がまだ21歳ということを改めて思い出した。この男これからどこまで成長を重ねていくのか。(ケンタッキー州ルイビル/服部謙二郎)