英語の勉強はネトフリでも 久常涼がドキドキのソーグラス初体験
◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 事前(13日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7252yd(パー72)
アイランドグリーンは、前日12日に“見るだけ”にとどめていた。TPCソーグラス17番(パー3)。久常涼はコース内のグッズショップに足を延ばしたとき、名物ホールに目をやって「乗るかなあ…」と少し不安になった。一夜明けた開幕前日の練習ラウンド。多くのギャラリーの視線の重圧をはねのけ、ティショットで池ポチャをしっかり免れた。
PGAツアーが誇る“第5のメジャー”に、ルーキーにして初出場。フィールド入りが決まったのは「プエルトリコオープン」でプレーしていた前週だった。学生時代からテレビで見ていた大会の一つ。「回りたいとは正直、思っていなかったというか(笑)。プレッシャーがきついコースで、いざ(実際に)見ると余計にタフだと感じました」と照れ笑いも浮かべた。
過去のハイライト映像ではスーパーショットはもちろん、「(17番の)池に入れまくるシーン」を何度も目にしてきた。「だから、あまり良い印象はないです。ただ、自分もその舞台で戦えるのがすごくうれしい」。特別推薦で出場する4月「マスターズ」(ジョージア州オーガスタナショナルGC)も控える中、シーズン8試合目でまさにメジャー級の試合に挑戦できる。
この日の午前中、クラブハウスの前の庭園で大会恒例の初出場者の個別インタビューに参加した。DPワールドツアーに参戦した昨年同様、極力英会話で受け答えする。必死に頭を回転させながら「“気持ちで”!」と頼もしい。
「特に勉強はしてないです」と言うものの、Netflix等で外国映画を楽しむときは、あえて英語の字幕を表示して鑑賞。「なんとなくこう、意味が半々くらい理解できるようになった感じはします。でも、まだまだなんで」。最近はPGAツアーが全面バックアップしたドキュメンタリー『Full Swing』のシーズン2に夢中だ。
インタビューの最中、PGAツアーのジェイ・モハナン・コミッショナーとあいさつを交わし、ティファニー製のカフスをプレゼントされた。満面の笑みを返したが、しばらくして周囲にこっそり「これ、なんですか?」。21歳には吸収できるものがいくらでもある。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)