松山英樹は1アンダー 初対峙のコースに「嫌なホールばっかり」
◇米国男子◇トラベラーズ選手権 初日(22日)◇TPCリバーハイランド(コネチカット州)◇6852yd(パー70)
今にも雨が降り出しそうな厚い雲が覆った空のように、松山英樹のゴルフもなかなか晴れ間が見えなかった。午前7時55分にインコースからスタートし、パーオンはするもののパットが決まらないじりじりとした展開に。2バーディ、1ボギーの「69」と伸ばし切れず、首位から9打差の1アンダー68位で初日を終えた。
出だし10番は8m、12番も8m、14番は5m、15番は3mとそれぞれバーディバットに臨むものの、なかなか決まらない。17番までスコアを伸ばせないまま、逆に18番で3パットのボギーが先行した。
事前ラウンドを行わなかった後半アウトに入ると、スコアは上向きに。1番のピン奥3mからのバーディチャンスは一筋外れたが、続く2番では80ydからピタリと寄せるバーディでイーブンに戻す。そして6番(パー5)の2打目、フェアウェイから残り250yd弱を4番アイアンでピン右8mにナイスオン。2パットで2つ目のバーディを奪う。後半は終始危なげのないプレーを続け、アンダーパーのままホールアウトした。
伸ばし合いの展開が予想されるだけに、初日はもう少しスコアを伸ばしたかったところ。バーディ量産とはいかず、「いいショットがなかなか出なかったので仕方がないですね」。フェアウェイキープ率71.4%(10/14)、パーオン率77.8%(14/18)を記録したが、決定的なチャンスに結びつけられなかった。
改めてコースの印象を聞くと、「嫌なホールばっかりで、立ちづらいホールも多い。でも、飛ぶ人はいいですよね。17番とか(ティショットを)アイアンで打てる人は楽だし、18番も飛ばし屋に有利。他のパー4もこっちはドライバーだけど、カートとか7番ウッドで打ってくるし…10マイル以上スピードが違ったらそうなるよ」と、飛距離で先を行く同組のカート・キタヤマに恨み節。
一方で、この日は収穫もあった。「とんでもないようなミスはなかったし、パターは悪くなかった」と、パッティングで何かしらのきっかけをつかんだ模様。パター自体は「マスターズの時に使っていたヘッド」というシルバーのスコッティキャメロンに戻していた。
松山はラウンドを終えるとパッティンググリーンに直行し、2時間近く念入りにストロークをチェック。その後は打撃練習場に移動して、トラックマンの数値を見ながら主にドライバーのスピードアップに注力した。3時間近くの練習を終えると、何かヒントを見つけたのか、帰り際は笑みがこぼれた。「(明日も)頑張ります」。そう言い残して会場を後にした頃には、すっかり青空が広がっていた。(コネチカット州ハートフォード/服部謙二郎)