攻めの姿勢も裏目に…比嘉一貴は1打足りずに予選落ち
◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント 2日目(2日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7533yd(パー72)
初日をイーブンパー33位で終えて予選カットラインの2打先にいた比嘉一貴は、序盤のうちに“貯金”を吐き出す苦しい展開となった。
「ショットの調子は昨日よりも良くて、ただバーディを狙ったところでダブルボギーに」。出だしの1番、4番(パー3)と2つのボギーが先行。8番(パー3)で取り返したものの、11番(パー5)で痛恨のミスが出る。ラフからの2打目を、フェアウェイに沿ってホール中央を縦に走る小川に落としてダブルボギー。通算3オーバーに後退し、7ホールを残してカットライン上の戦いを強いられた。
硬く仕上がり、跳ねるグリーンに対応しようにも、「結構手応えのいいショットもあったけどチャンスにつかない。難しさを感じました」と苦戦は続く。「ショートサイドに打つメリットよりもリスクが大きすぎて。自信をもって、そういうところに打てなかった」と攻め切れないままホールを消化していく。
一縷(いちる)の望みを残すためにもスコアを落とせないプレッシャーが続くなか、16番(パー3)は3.5mを沈めてパーセーブしたが、17番はフェアウェイからの2打目をグリーン手前のラフに落とし、2mを外してボギー。カットラインの圏外で迎えた最終18番もパーに終わった。
欲しかったバーディフィニッシュは逃したものの、18番で初めてフェアウェイをとらえた1Wショットには納得の表情。「バーディを獲るしかないと。そういうシビアな状況の中でいいティショットを(17番から)2回続けて打てたのは良かった」と、集中力を切らさずに臨めた終盤のプレーを振り返った。
比嘉は、2週後の海外メジャー「全米オープン」(6月15日開幕)の出場権を持たないため一時帰国する予定。「満足のいく結果ではないけど、すごく良い経験はできたし、上り調子でここに入ることができたので収穫は沢山あった1カ月だったと思う」。世界のトッププレーヤーが競い合うフィールドに立てたことはもちろん、松山英樹という母校の大先輩と長い時間を過ごす、刺激と貴重な経験に満ちた遠征となった(オハイオ州ダブリン/石井操)