グリーンオーバーと粘りのプレー 比嘉一貴が感じる好材料
◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント 初日(1日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7533yd(パー72)
イーブンパー33位で終えた比嘉一貴の初日は、ボールが硬く仕上がったグリーンに跳ねて奥のラフにこぼれるシーンが目立った。ピンチも迎えたが、比嘉は1月「ソニーオープン」から課題としてきたアイアンショットが、今週は思ったよりも前に飛んでいるプラスの要素として受け止めている。
4月「マスターズ」のあたりから飛距離の低下を感じていたというが、「ここ最近ではいいショットが今日は多かった。思ったよりも5~7ydはキャリーが出ているかな」。長くなりつつある海外生活に順応し始めているのか、あるいはスイングが好調になってきているのか。要因を探る中で「比較的ここの芝生は苦じゃないというか、その辺の差だとは思うけど、朝からすごく振れていたというのはあった」と振り返った。
この日3つのバーディは、全てパー5のホールで奪ったもの。前半11番のパー5はクリークに入れてパーとしたものの、15番(548yd)は7Wで2オンさせてのバーディ。後半は5番(534yd)、7番(584yd)のパー5でスコアを伸ばし、ロングゲームを軸に「72」にまとめた。
「逆に言えばパー5以外で取れていなくて、5オーバーぐらい打ってもおかしくないプレー内容というか、場面が多かった。これからどんどんグリーンは硬くなって、ピンポジションもシビアになってきたら簡単にボギーが出てしまうかなとは思う」。プラス材料がある反面、縦の距離が合わなかったことを反省点に挙げる。
苦しかった内容はパーオン率28%(全体109位)という数字からもうかがえるが、巧みなショートゲームで粘り強くパーを拾い続けた。この日のパット数は全体1位の22パットを記録。グリーン奥にこぼした後半1番こそ1mのパーパットを外したものの、「1番を除けばわりとグリーン周りは100点に近いかな。全体的にはすごくパターでしのいだ部分が多かった。思ったところに打てていましたし、距離感も悪くない。いい状態なんじゃないかな」とうなずいた。
初日を終えた時点の予選カットラインは2オーバー。「こういう難しいコースでアンダーを出せれば3日目、4日目と自信を持って臨める」と上だけを見据え、週末の戦いに意識を向けた。(オハイオ州ダブリン/石井操)