エースの期待とベテランの自覚 松山英樹「プレーで引っ張っていけるように」
◇米国選抜VS世界選抜対抗戦◇プレジデンツカップ 事前(20日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7576yd(パー71)
今年の世界選抜チームには、大会史上最多8人のルーキーが名前を連ねている。松山英樹は「その中ではかなり“ベテラン”の域に入ったんですけど…」と笑いながら、「しっかりいいプレーをしていかないといけない」と自覚をにじませる。
年齢では1学年上に当たるテイラー・ペンドリスとコーリー・コナーズのカナダ勢、同学年のイ・キョンフン(韓国)がいずれも初出場。今大会最年長42歳で自身の世界選抜チーム最多出場記録を更新する10度目のアダム・スコット(オーストラリア)に次ぐ5度目の対抗戦だ。
さらに、世界ランキング3位のキャメロン・スミス(オーストラリア)がサウジアラビア政府系ファンドの資金提供する新リーグ「LIVゴルフ」に移籍したことでメンバーを外れ、世界ランキング17位はチーム最上位でもある。
「本来は僕じゃなかったんですけど…」と苦笑しつつ、「チームにはアダムとか、ずっといるすごい存在もいるし、そこに続いてしっかり引っ張っていけるように。なかなか発言的に引っ張ることはできないですけど、プレーでしっかり引っ張っていけるように頑張りたい」と意気込む。主将のトレバー・イメルマン(南アフリカ)が会見で何度もスコットと松山の名前を挙げたことからも、若いチームにあって2人に託す期待の大きさをうかがわせる。
世界ランクの数字だけで見れば、12人のうち11人が20位以内につける米国選抜が圧倒的。「ランキング的には厳しい戦いかもしれないですけど…」と話す松山だが、その目に宿す闘志は変わらず力強い。同じく下馬評で不利とされた前回2019年大会は、最終日に逆転を許したものの、2pt差の接戦で21年ぶりの勝利に迫った。
「(19年の)オーストラリアのときもそういう風に言われていて、すごくいいところまで行けた。最後の最後に勝てなかったっていうところでは、何かが足りなかったと思う。それでも、そうやっていい勝負ができるっていうことは、ここでも絶対にできると思う。個人個人がしっかり力を出せれば、チャンスはある。少しでもチームの力になれるように頑張りたい」。敗れた過去4大会の悔しさも胸に秘め、エースが背中で導く。(ノースカロライナ州シャーロット/亀山泰宏)