最終日“45人抜き”も涼しい顔 松山英樹「不思議な感じで」7アンダー
◇米国男子◇フォーティネット選手権 最終日(18日)◇シルバラードリゾート&スパ (カリフォルニア州)◇7123yd(パー72)
ボギーなしの7バーディ「65」は、テーラー・モンゴメリの「64」に次ぐこの日2番目の好スコア。70位から一気に25位まで順位を上げてフィニッシュした。それでも松山英樹は「(かみ合ったとか)全くないんですけど、なんか良かったです。不思議な感じで(スコアが)出ましたね」と涼しい顔で言った。
悪天候で2ウェイとなり、10番スタートの“裏街道”に回る中で前半はガマンが光った。11番(パー3)は、左下がりのライからしっかりボールを上げてピンと同じグリーン面に落としてパーセーブ。17番もピンに近い右奥のラフからフワリと浮かせて切り抜けた。
後半だけで5アンダー「31」の大まくりを呼び込む形となったショートゲーム。「いいアプローチでしのげて良かった」と言いつつ、「でも、調子が良かったら、別になんてことないような感じのところばっかり。何とも言えないですね」。手放しでは喜ばないのが松山らしい。
3日目スタート前の練習あたりからショットのアドレスを入念に確認するしぐさが見られ、ラウンド中にも打った後に同じ場所で再チェックするシーンがあった。ただ、「(それで良くなった感じは)あんまりない。きのうの方がフェアウェイに行ってますし…」。後半3連続バーディの締めくくりとなった7番は200ydのパー3。5Iで右奥ピンの根元に突き刺すようなショットを披露しても、「『真っすぐ行ったなー』って感じで見てました」と抑揚をつけずに言った。
パー3を除く14ホール全てのティショットで1Wを握り、18番、9番とパー5のセカンドで“直ドラ”からバーディを奪った。悪条件にもしっかり対応してスコアを作りながら、“試せる場面では試して”、シーズンを通したパフォーマンスの底上げにもつなげていく。苦しいときも安定して予選を通過する地力があるからできる部分でもある。これまでの9年間もそうやって積み重ねてきた。
最後に変わらぬ爆発力を見せつけて幕を開けたPGAツアー10年目の戦い。次週は2年に1度の対抗戦「プレジデンツカップ」(22日~/ノースカロライナ州クエイルホロークラブ)で米国選抜と相対する。「雰囲気も変わる。チームを引っ張っていけるように頑張りたい」。本人は手応えなしを強調しても、チームトップランカーのエースが見せた最終日のプレーは、世界選抜にとって朗報だ。(カリフォルニア州ナパ/亀山泰宏)