やり残した聖地制覇へ マキロイは“サッカー断ち”で準備万全
◇メジャー第4戦◇全英オープン 事前(12日)◇セントアンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7297yd(パー72)
2014年、イングランド・ロイヤルリバプールで行われた全英オープンを完全優勝で初制覇、連覇に挑むはずだった翌15年のセントアンドリュースはサッカーで負ったけがのために欠場を余儀なくされた。世界ランキング2位のロリー・マキロイ(北アイルランド)にとって2000年以来2度目となる聖地での戦いは、その苦い思い出を払拭する大会でもある。
会見で司会者に「今週はサッカーから離れていた?」とふられると、「Yeah, very much so」と苦笑いを浮かべて即答した。「2015年の全英オープンに出場できなかったので、この大会は僕にとって特別な週。長い間、本当に楽しみにしていた。セントアンドリュースでもう一度、全英オープンをプレーできるのは素晴らしいこと」と興奮を隠しきれない。
過去に欧州ツアー「アルフレッド・ダンヒル リンクス」でも戦ったコースだが、時期も違えばホールロケーションも全く違う。「このゴルフコースのコンディションで少し風があれば、ドライバーを打ってグリーンに近づけることはできるが、だからといって、その位置からバーディを獲れるとは限らない」と楽観視する気配はない。
予想以上に硬いフェアウェイを警戒しつつ、「20ヤード、30ヤード、40ヤードからのパッティングでグリーンを快適に回れるようにすること」が攻略のカギのひとつとし、「準備は順調。何もする必要がないと感じている。自分のゲームに自信と満足感を持つことがメジャーにつながるいい方法だと思う」と心技体は充実している。
今季メジャーは4月「マスターズ」2位、5月「全米プロ」8位、6月「全米オープン」5位ですべて優勝争いに絡んでいる。「全英オープンを制した偉大なプレーヤーはたくさんいるが、ここで優勝したことがない人もいる。セントアンドリュースでの全英オープンの優勝は我々のスポーツの“聖杯”だと思う。ゴルフの世界では最高の成績のひとつ」
数年に一度しかない聖地開催で「もうひとつのクラレットジャグを手に入れたいと思っている」とマキロイ。実現すれば、連覇がかかる23年大会は再びロイヤルリバプールに戻ることになる。(スコットランド・セントアンドリュース/清野邦彦)