ミケルソン「反感は受け止めるが、現時点では正しい判断」 永久シード行使に意欲も
◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前(13日)◇ザ・カントリークラブ(マサチューセッツ州)◇7264yd(パー70)
「私がリブゴルフに進むという選択に対し、皆さんが激しい意見や感情を持っていることは知っています。それを理解し、尊重します。PGAツアーが長年にわたって与えてくれた多くの機会に非常に感謝していますが、この新しい機会にも興奮しているのです」
そう切り出したフィル・ミケルソンの会見は20分以上に及んだ。表情が緩む瞬間は、ごくわずか。前週出場した新リーグ「リブゴルフ・インビテーショナルシリーズ」の初戦で話題を呼んだ無精ひげについて問われ「エイミー(夫人)が気に入ってくれているんだ」と返したときくらい。神妙な面持ちで言葉を選びながら質問に答える場面が目立った。
サウジアラビアの資金を背景にグレッグ・ノーマンらが推進する新リーグ。参戦したPGAツアーメンバーは出場権停止となることが公表された。ダスティン・ジョンソンのように自らメンバーシップを返上する選手がいる一方、ミケルソンは自ら勝ち取った永久シードの価値を強調する。
「私の希望は一方、あるいは(PGAツアーを含めた)両方の道を選べるようにすることです。30年間、PGAツアーとゴルフという競技にできる限り貢献し、コースでの功績によって永久シードを得ることができたと思っています。それが私の選択であるべきだと信じています」
PGAツアーのコミッショナー、ジェイ・モナハン氏と最後に話したのは昨年10月だと明かし、ロリー・マキロイ(北アイルランド)らPGAツアーサイドに立つ選手たちの否定的な意見にも理解を示す。
「私はPGAツアーの選手たちに最大限の敬意を払っています。共有した思い出、共有した経験、そしてPGAツアーの多くの選手たちは、私が最も尊敬する人たちです。彼らの反感も受け止めますが、現時点ではこれが正しい判断だと思っています」
タイガー・ウッズとともに一時代を築いたPGAツアーから追放されるリスクを負ってでも新リーグ参戦を選んだ理由についても答えた。
「経済的なコミットメントが大きいのは明らかです。ただ、それ以上にトーナメントが少なくなることで、私の人生にもっとバランスを持たせることができるという要素があります。ゴルフコース以外でも、ずっとやりたいと思っていたことができるようになりました。自分にとって大切な人、今後大切にしていきたい人を優先することで、彼らとの時間を増やし、ゴルフ以外の人生経験をより多く共有することができると思います」
新リーグ、7月「全英オープン」へ出場する意向を示した以外の今後については「憶測にすぎない」と明言を避けた。生涯グランドスラムへ最後の関門となって久しい「全米オープン」。キャリアの悲願ともいえる挑戦についての質疑応答はほとんど行われず、張り詰めた空気すら漂った。