【GDO EYE】世界の中の石川遼
石川遼が初めて出場した「ザ・プレジデンツカップ」。キャプテン推薦という特別枠での出場だったが、国際選抜ではエルスと並んで最多の3勝を挙げる活躍を見せてくれた。ウッズ&ストリッカー組とぶつかった3日目午後のラウンドでは、ドーミーとなった13番から3連続バーディ奪取。とりわけ、15番でウッズを背にして見せた渾身のガッツポーズは、翌日の現地紙の紙面を飾るなど、強い印象を残したようだ。
最終日は明らかに石川に対する地元ギャラリーの声援が増えていた。ペリーを応援する声に混じって、「リオー」「イシカワ」という声が掛かる。15番で木に当てながらパーセーブした場面では、「Good Show!」とビールを飲んで良い気分になっているギャラリーを興奮気味に叫ばせ、ホールアウト後は大勢の、特に多くの子供たちから、サインをせがまれていた。
今大会で石川は、世界で戦える手ごたえをより強くしたに違いない。世界ランク6位のケニー・ペリーをシングルスマッチで破ったことはもちろん、記者会見では外国人記者からの質問を、通訳を介さずにそのまま答えるなど(喋るのは日本語だが)、言葉の壁も徐々に低くなっている。
しかし、石川は「来年、再来年の予定は決まっていないけど、基本的には日本でずっとゴルフをやっていく予定」だと話す。「ただ、海外に来るたびに色んな国でプレーしたいと思ったり、色んな国の選手とプレーして良い経験になるから、最後はUSPGAツアーで戦っていられるような選手になりたい」とも言う。
高校を卒業する来年、石川は世界中から好きな進路を選べることになる。ノーマンやウッズもその才能を評価する石川。是非、その存在を日本だけではなく、世界のゴルフの発展に役立てて欲しい。2016年、ゴルフが“リオ(Rio)”での五輪競技に採用されることが決まったが、“リオー(Ryo)”もゴルフの国際化に貢献出来るはずだ。(編集部:今岡涼太)