2022年 全米オープン

“タフになった”星野陸也 ぶっつけ本番で米国会場を突破

2022/05/24 14:35
疲労でショットが乱れる場面もあったが、乗り越えた

◇米国男子◇全米オープン最終予選会(23日)◇レイクウッドCC、ロイヤルオークスCC(テキサス州)◇ともにパー71

36ホール目、通過を決定づけるパーパットを沈めると力強く拳を握った。直前「全米プロゴルフ選手権」で初めて予選通過を決めたときのようなリアクション。「いや~良かった、ホントに良かった」。昨年に続いて米国で最終予選会を突破し、これでもかと充実感があふれた。

日本からの連戦で全米プロを4日間戦い抜き、身支度を整えてから4時間のドライブ。星野陸也がテキサス州ダラスに到着したときは午後10時を回っていた。翌朝からのラウンドは疲れからか、下半身で踏ん張れずにショットが暴れた。

通過圏内ギリギリで迎えた終盤に伸ばした

前日のコースではグリーン上にピン位置を示す印がつけられるなど、選手への情報提供も行われていたという。しかし、星野にとってはこの日が初見。もともと、みっちり時間をかけて準備するタイプで、事前ラウンドも細かいところまで調べなければ気が済まない。それができない“ぶっつけ本番”で、コースメモを頼りにゲームを組み立てた。「自分もタフになったのかな。全米オープンとかこれまでの経験、普段やっているコースマネジメントの積み重ねが、こういうところにも生きたのかな」と少しだけ胸を張った。

午前の18ホールを「66」で滑り出したが、午後の18ホールでプレーしたレイクウッドCCではグリーンの重さに戸惑った。前半1つしか伸ばせず、一時は圏外へはじき出された。後半に入って徐々にアジャスト。大きかったのは16番のバーディ。「あと5㎝くらい右だったら(傾斜で)下に落ちていたと思う」というギリギリのショットで3mのチャンスを演出し、上りのフックラインをしっかり打ったパットがカップのフチを回って入った。

これが欲しかったんです

マット・クーチャーグレーム・マクドウェル(北アイルランド)といった実績十分のベテラン勢がエントリーしていた会場。駐車場に数多くとまっていた、今週テキサス州で開催されるPGAツアー「チャールズ・シュワブチャレンジ」のコーテシーカー(トーナメント期間中に選手へ貸し出される車)も、ある意味でフィールドのレベルの高さを示していた。

「ハードスケジュールの中でやれたことは、自分にとって価値があること」とした上で、2年連続3回目の「全米オープン」を見据える。「難しいコースで、やりがいもあると思うので楽しみ。全米プロで上位の成績を目指して、うまくいかなかった悔しさがある。目標高くトップ10を目指して頑張りたい」。まずはいったん帰国し、地元茨城で開催される「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」(宍戸ヒルズCC西コース)に臨む。(テキサス州ダラス/亀山泰宏)

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