連覇へ「悪くない位置」 松山英樹は強風下で「69」
◇メジャー第1戦◇マスターズ 2日目(8日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7510yd(パー72)
後半15番(パー5)、フェアウェイからの残り225ydの第2打は、池を越えてピンの右15mについた。「(左からの)木が邪魔でフックをかけないといけなかった。あれが(あの状況では)ベストショットかなと」。松山英樹は試合勘も、それに対応しうるショットも、取り戻しつつある。2パットからこの日4つ目のバーディ(1ボギー)で「69」。初日の19位から通算3アンダーの2位に浮上し、大会史上4人目の連覇に前進した。
最後から2番目の組、午後1時52分のスタート前にリーダーボードに目をやった。「スコアを見ていたら、相当難しいんだろうなと思っていた」。最大風速13m/sの難コンディション。「パー5で獲れればいい」と慎重な姿勢でティオフすると、2番(パー5)でさっそく2オンからバーディ。続く3番では残り42ydの第2打で、砲台グリーンの壁にクッションを2つ入れ、1mにピタリと寄せて2つ目を決めた。
さらに6番(パー3)のアイアンを振り抜いた一打。ナイスショットを確信したかのような視線で見送ったボールはピン手前80㎝について喝采を呼んだ。
バックナインは同組のジャスティン・トーマスが14番からの3連続バーディなど猛チャージを見せた。「引っ張られるようなかたち」でスコアを落とすことなくフィニッシュ。この日アンダーパーをマークした13人のうちの1人になった。
1カ月前に首を負傷し、3月初旬「アーノルド・パーマー招待」を最後に一度も4日間プレーできなかった。「(起床して)『痛くない』というのは思いましたけど、気にならないかと言えばそうではない」。無理はできない中で「あしたはすごく気温が下がる。良い準備ができれば」とホールアウト後は日没まで練習した。
今年2月のプロ初勝利から一気に3勝を挙げ、世界ランキング1位に上り詰めたスコッティ・シェフラーが単独首位で大会を折り返した。週末を前に築いた大量リード。それを背負ってプレーする重圧がどれほど大きいものかを、ディフェンディングチャンピオンは知っている。
「悪くない位置で、あした、あさってを迎えられる。あしたもう少しいいプレーをしたい」。1カ月ぶりの3日目のラウンドは「マスターズ」のムービングデーだ。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)