2022年 マスターズ

キャディの“ゼッケン”は「1」/マスターズチャンピオンの世界

2022/04/08 15:08
早藤将太キャディのナンバー「1」はディフェンディングチャンピオンの特権

◇メジャー第1戦◇マスターズ 初日(7日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7510yd(パー72)

「マスターズ」の前回大会王者には毎年、ディフェンディングチャンピオンに課せられる仕事や、伝統的なしきたりがある。松山英樹は2022年、その世界に初めて足を踏み入れた。

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大会期間中、オーガスタナショナルGCのキャディの伝統的なウェア、白いつなぎの左胸には緑色の数字が刻まれる(一般営業日などはクラブのエンブレムが入る)。出場する選手全員のキャディに振り分けられるもので、ディフェンディングチャンピオンの相棒は毎年必ず「1」をつける。

そもそも、この数字はキャディを識別する番号ではなく、出場選手のエントリーナンバーだ。「2」以降は会場内のオフィスでレジストレーション(出場登録)を終えた順番で決まる。前年王者を除けば、小さい数字の選手ほどコースでの事前練習を早くスタートさせた、といえるかもしれない。今年はアマチュアの中島啓太(日体大)だった。

松山英樹がマスターズ覇者となった前年大会、早藤キャディの番号は「78」だった(Mike Ehrmann/Getty Images)

「ナンバーワンはうれしい」と松山は言う。「以前は若い番号が好きだったから」。アマ時代から「マスターズ」は開幕前週にオーガスタに入っていち早くコースチェックをするのが通例で、初出場の2011年は「5」、17年は「9」だった。

それが2021年大会では、前週の「バレロテキサスオープン」に出場し、コースの到着が開催週の月曜日になったことから、番号はこれまでの出場でもっとも大きい「78」になった。早藤将太キャディは「なんか、イヤな番号だ」とボヤいてたというが、松山は「ジョーダン・スピースがひとつ前の『77』で、僕はそれよりも『78』のほうがしっくり来た」と振り返る。

数日後、「78」をつけた早藤キャディは世界の注目の的になった。現在、松山が使うボールに記されたオウンナンバーはその数字である。

「78」と番号が入った松山英樹使用ボール

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