2022年 マスターズ

「心からヒデキをリスペクト」イム・ソンジェは父のショットから吉兆

2022/04/08 13:02
13番でイーグルを奪ったイム・ソンジェ(提供:Augusta National Golf Club)

◇メジャー第1戦◇マスターズ 初日(7日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7510yd(パー72)

強風の難コンディションをイム・ソンジェ(韓国)が切り裂いた。出だし1番から3連続バーディ。UTでの2オンから3mのフックラインを流し込んだ13番(パー5)でイーグルを奪うなど「67」をマークし、5アンダーの単独首位スタートを決めた。

PGAツアー2勝のイムはデビュー時にオーガスタに衝撃を与えた。初出場の2020年、ダスティン・ジョンソンに次ぐ2位フィニッシュ。4日間全てアンダーパーをマークし、若きオールラウンダーとして、大器の片りんをうかがわせた。

「ほとんどのホールで1Wショットが成功して、きょうはすべてうまくいった」。24歳は開幕前日の恒例行事、パー3コンテストで空気が明るくなったという。

最終9番、普段から一緒に遠征している父ジデクさんがティイングエリアで構えようとすると、後続組のスコッティ・シェフラーサム・バーンズビリー・ホーシェルから“いじり”の声が飛んだ。「僕も笑っちゃって。でも、そうしたら父は僕が今まで見てきた中で、最高のショットを打ったんだ。まるでプロみたい。本当に楽しくて、忘れられないよ」

韓国人選手として2人目のメジャー制覇、初のマスターズタイトルへ最高の滑り出し。公式会見でアジア人の活躍について問われると、「今この瞬間は、何かを達成するだとかを考えることはしたくない。まだ何日もプレーしなくてはいけないし、マスターズの舞台には才能を持った、たくさんの選手がいるでしょう」と冷静に口にした。

「でも、ヒデキの去年の優勝については、僕は心から彼をリスペクトしている。子どもの頃から彼を見てきたんだ。(自分にも)良いことが起こればいいなと思う」。刺激はもちろん存分に受けている。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

2022年 マスターズ