“無言”のフェニックスで考えていたこと 松山英樹の反省と手応え
◇米国男子◇ジェネシス招待 事前情報(15日)◇リビエラCC(カリフォルニア州)◇7322yd(パー71)
今季3勝目に届かなかった前週「WMフェニックスオープン」の最終日、松山英樹は言葉を残さずにコースを後にした。スタート前から「勝てる雰囲気はまったくなかった」と状態に不安を抱えたままプレーして8位。プレーオフに進んだ2人との差、3ストロークを詰め切れなかった。
手応えのあったパッティングは週末に違和感を持ったという。「良くないというのが3日目の時点で分かっていて。2日目(の調子)に戻そうとしたが、なかなかうまくいかなかった」。土曜日は順位を13位から7位に上げても、不安があった。サンデーバックナインの終盤5ホールはロングゲームが安定した半面、フィニッシュに甘さが出た。
さらに締めくくりを憮然とさせたのは最終18番。1Wで狙い通りドローボールでフェアウェイをとらえた直後の2打目も気に入らない。「90ydくらいのショットを(ピンから)5、6mじゃ話にならない。悪くてあの半分くらいにはつけないと」。ファンからの大きな声援と期待に応えられなかった自分が不甲斐なかった。
最終ラウンドを終えた直後にロサンゼルスに入り、翌日すぐに練習を再開。開幕2日前もドライビングレンジでの時間を長く過ごした。身体とクラブの動きを慎重に確認しながらの打ち込みは、少ない種類のクラブでの反復作業が続いた。アイアンショットは最後にバックスイングを上げたところで、しっくりこなかったのか突然打ち切り。ショートゲームの調整に移った。「きのう、きょうの練習でも良くなる気配はあまりない」と嘆く。
悩みは深いようで、数日前までの戦いぶりは「悪い状態で、あそこまで持っていけたのはすごく良かった」という見方もしている。完ぺきなコンディションでなくても、最低限のスコアメークは自分に課してきたこと。「(ミスの)幅が狭まればおのずとプレーに余裕が出てくる。バーディパットが打つ回数が多ければ、(数ホール)外れてもダメージが少ない」と積極性は失わない。
砂漠地帯のフェニックスでは、普段よりも「3%」飛距離が出る計算でプレーしていた。今週は「距離感も変わってくる」と感覚を戻す作業も必要になる。得意コースではないリビエラCCでの“良い記憶”は4位に入った2015年くらいだそうだが、「3日目が終わって優勝争いができる位置にいることが大事。なんとかそこに持っていけるように頑張りたい」。年間ポイントレース(フェデックスカップ)のリーダーらしい展開を見せたい。(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/桂川洋一)