2022年 WMフェニックスオープン

“傷口”ふさがった松山英樹 予選注目組に名物パー3「オナーで打ちたい」

2022/02/09 11:05
開幕2日前の練習。松山英樹には笑顔があった

◇米国男子◇ウェイストマネジメント フェニックスオープン 事前情報(8日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

“ヒデキの庭”とさえ呼ばれた2016年からの連覇大会は、翌年以降の直近4年は振るわない。最高成績は19年の15位とタイトルが遠く、18年には左手痛を発症して途中棄権した苦い記憶も。それゆえ、「めっちゃ得意かと言われれば、そこまでではない」と松山英樹は回想する。

PGAツアー公式サイトの優勝予想ランキングでは3位。「(1月)ソニーオープンで勝ったので、余計に注目されている」のも理解できる。年間ポイントレースのフェデックスカップのリーダーは、予選ラウンドでパトリック・カントレージャスティン・トーマスと同組になった。どちらも今季未勝利とはいえ、松山は彼らが常に上位にいる印象を持つ。「カントレーはずっと安定して上にいる。同級生だし負けたくない。JTは目立っていなくても上位にいて爆発力もある」

グリーンサイドからバンカーショットを何度も練習

注目組の登場が、全周を巨大スタンドに囲まれた名物ホール、16番(パー3)を熱狂させるのは間違いない。「オナーで打ちたい。先に打たれて盛り上げられるとちょっと…。『静かにして』とは言いにくい」と松山は苦笑い。直前の15番(パー5)は全体のスコアメークを考えてもやはりバーディが欲しい。

「最近はグリーンの硬さをつかめきれないまま、最後まで行っている」と警戒するTPCスコッツデール。好材料は3週前のトレーニング中に怪我を負った左足のすねが回復したこと。「やっと傷口がふさがった」。30位に終わった負傷直後の「ファーマーズインシュランスオープン」(2週前)の4日間に違和感がないはずはなかった。

フェニックスの夕日

開幕2日前にアウト9ホールで練習ラウンドを行った。長いショットを打ち直すホールや、スイングの形を確認するシーンは少ない。コース特有の砲台グリーンへのチッピングを繰り返し、ショートゲームのチェックに重点を置いた。「ファーマーズ」で使用した「ダンロップ スリクソン ZX5 ドライバー」は「ZX7」に戻し、鉛を切り貼りするなど調整は細かい部分にある。

「自分が優勝したときのスコアは(通算)14アンダーと17アンダー(16年と17年。いずれもプレーオフに突入)だったが、最近は20アンダーにも届く。1日4アンダー、最低でも3アンダーは行きたい」と初日からエンジンをかけたい。「ラフがいつもの半分くらいの長さ」というのもロースコア合戦を覚悟する理由だ。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)

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