「僕も昔は速かった」 ジェイソン・デイは“加齢”に負けない
◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 2日目(27日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇ サウスコース(7765yd、パー72)、ノースコース(7258yd、パー72)
隣でプレーする松山英樹、ホアキン・ニーマン(チリ)は、「プレジデンツカップ」世界選抜の頼もしい後輩に違いない。昨年11月に34歳になったジェイソン・デイ(オーストラリア)はふと、「年を取ったなあ」と思わずにはいられなかった。
とりわけ、23歳の新鋭ニーマンの豪快なスイングにはため息すら覚えた。「彼にも言ったんだ。自分の年を感じるって。彼のすごいショットを見ていたらね」。2打目を何度も先に打ったこの2日間。圧倒されて、さらに「僕も昔は(スイングが)速かったんだ。2016年の全米オープンの練習場ではヘッドスピードが(時速)127マイル、ボールスピードも(秒速)80メートル台後半が出ていたって」と伝えたという。
背中をはじめとした故障に悩まされ、近年は厳しい戦いを強いられている。直近の優勝は2018年「ウェルズファーゴ選手権」。昨季は2008年の本格参戦以降、最悪のフェデックスカップポイントランキング114位で終えた。昨秋に始まった今季も197位とエンジンがかからない。
加齢を感じる今は経験を大きな武器にする。スコアを伸ばしあぐねた2日目は途中、「天候を考えていた」。この日プレーしたノースコースは、北風が吹くとアウトの終盤に追い風を受けるホールが多くなる。2オン可能な後半のパー5である5番、9番できっちりバーディ。同じくフォローの7番は1Wでグリーン手前に運び、チップインイーグルを決めた。
終わってみれば「65」。通算9アンダー6位で、ニーマン(7アンダー)、松山(5アンダー)を抑えた格好だ。PGAツアーで挙げた12のタイトルのうち、2つは同大会のもの(15年、18年)。「最終ホールのバーディはあしたに向けて大きい。トップからはさほど離れていない(4打差)。チャンスがある位置で回れれば」と手応えを口にした。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/桂川洋一)