2021年 BMW選手権

風が惑わすムービングデー 松山英樹「それ以前の問題」

2021/08/29 08:18
ティショットを曲げながら2オンした12番で2連続バーディとしたが…

◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権 3日目(28日)◇ケイブスバレーGC(メリーランド州)◇7542yd(パー72)

松山英樹にとって歯がゆいムービングデーとなった。15位から出た前半をパープレーと伸ばせずに迎えた後半。11番でセカンドを3.5mに絡め、しなやかなストロークで流し込んだ。続く12番(パー5)ではティショットを大きく左に曲げるも、隣接する14番のグリーンを見下ろすラフから2オンに成功。2パットで2連続バーディとした。

「悪いながらも2つ獲れたので、そのまま4つ5つ伸ばせればと思ってやっていたんですけど…」。わずかに上向いた気持ちで立った13番(パー3)のティイングエリアで、感じたのはアゲンストの風。オナーで打ったショットは手前に広がる池をギリギリで越え、斜面に止まった。

松山英樹はムービングデーに停滞した

警戒を強めて振ったアレックス・ノレン(スウェーデン)はピンをオーバーした。最終組で首位を走っていたブライソン・デシャンボーも池に落としたホール。「風が思ったより強く吹くっていうか…かと思えば、アレックスみたいに打ったら意外と(風を)受けなかったりする」

ジャッジを悩ませる風は、1m強のパーパットがカップに蹴られたこのホールだけではなかった。打ち下ろしで滞空時間が長くなる17番(パー3)でもショートした同組2人に対し、松山のショットは右奥のグリーンエッジまで達した。

選手それぞれの弾道の高低によっても影響の受け方が異なる繊細な世界。その難しさを改めて胸に刻みつつ、「それ(風)以前の問題」と首を振る。フェアウェイからグリーンを外すホールも散見したこの日のパーオン率は55.56%(10/18)にとどまった。

エースパターを握ったグリーン上でももどかしさが募った

前週「ザ・ノーザントラスト」から使ってきたセンターシャフトのパターを“エース”のピンタイプにスイッチしたグリーン上も「いいパッティングができたのが数えるほどしかないですし、後半は(フィーリングが)良かったなと思いますけど、入らなかったら意味ないです」と断じた。

フラストレーションをため込んだ「72」で26位に後退。上位の背中も遠のいたが、パーで終えた18番のティショットとセカンドは納得の内容だった。最終戦「ツアー選手権」のスタートポジションにも関わってくるラスト18ホールへ「いい準備をして、いいプレーができるようにしたい」と練習場に向かった。(メリーランド州オーウィングスミルズ/亀山泰宏)

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