“ポイントランク26位”でもシーズン終了? ザラトリスは勝つしかない
◇米国男子◇ウィンダム選手権 3日目(14日)◇セッジフィールドCC(ノースカロライナ州)◇7131yd(パー70)
多くの選手がプレーオフシリーズ進出へ最後の望みをかけるレギュラーシーズン最終戦。ウィル・ザラトリスも“勝つしかない”という困難なミッションに挑んでいる。
「失うものは何もないんだ」と話す24歳が置かれた状況は少し特殊だ。コロナ禍で昨季中断を余儀なくされたツアーは2019-20年シーズンの出場資格持ち越しを決定。それに伴い、下部ツアーをランキング8位で終えたザラトリスらの昇格も見送られた。
それでも昨年9月の「全米オープン」で6位に入るなどの活躍で「スペシャルテンポラリーメンバー」となり、PGAツアーの出場機会を確保。4月「マスターズ」では松山英樹に次ぐ2位、5月「全米プロ」でも8位とメジャーで立て続けに好成績を収めた。
ここまで稼いだ1270ptはポイントレース26位相当の数字。30人のみのエリートフィールド「ツアー選手権」も目指せるポジションのはずだが、あくまで正式なメンバーにはなっていないため、優勝しなければプレーオフシリーズに進むことすらかなわない。
大会前にはウェブ・シンプソンが「選手を代表して話をしてきたが、全員が彼をプレーオフに出場させるべきだと思っている。ツアーが間違っているとは言わないけど、見直す必要のある部分だとは思う。ウィルは来週(プレーオフシリーズ初戦の舞台)ニューヨークにいるべきだし、勝たない限り行けないというのは残念だ」と改めて声を上げたほどだった。
この日はボギーなしの1イーグル3バーディ「65」で、通算9アンダー15位まで浮上。「2位で終わっても何の意味もないんだ」と冗談めかし、「失うものがないゴルフは楽しいよ。チャンスがあるのなら、それをつかまなくちゃいけない」と続けた。首位とは6打差。ラスト18ホールに全てをかける。(ノースカロライナ州グリーンズボロ/亀山泰宏)