木下稜介は浮上できずも…丸山流バンカーショットに喝采
◇メジャー第6戦◇全英オープン 3日目(17日)◇ロイヤルセントジョージズGC(イングランド)◇7189yd(パー70)
初めてのメジャーで日本勢唯一の予選通過を果たした木下稜介は、ムービングサタデーのピン位置に舌を巻いた。「初日、2日目はそこまでピンポジ(自体)は難しくなかった。この中でもスコアを伸ばせないと、こちらでは上位争いができない」。2バーディ、2ボギー1ダブルボギーの「72」をしっかりと受け止めた。
2番で下りの長いバーディトライが思った以上に左へ切れ、3パットボギーが先行。4番もパターでの寄せをショート。「グリーンに乗っても、つけるところ次第で2つくらいのマウンドを越えて、すごく曲がるラインについてしまう。(ショットの)距離もしっかり合わせていかないと、まずチャンスにつかない」と振り返る。
7番(パー5)では1Wショットが左の深いラフへ。大捜索の末にようやくボールは見つかったものの、2打目は出すだけ。4オン3パットのダブルボギーで5オーバーまで後退した。それでも後半は粘りのプレー。10番で3mのチャンスを生かして最初のバーディとすると、14番(パー5)も安定したショットのつなぎで手前のカラーまで運び、タップインバーディを奪った。
見せ場は16番(パー3)。最終組のティオフまで6時間近くある午前10時スタートながら、すでにスタンドは満員。「盛り上げたくてピンを狙った」と果敢に攻めた。ピン奥の「一番入れてはいけない」バンカーに落としたが、そこからのリカバリーが完璧だった。近いピンに向かって下るバンカーショットをピッタリと寄せ、拍手喝采を浴びた。
13番でもパーセーブに成功したバンカーは、もともと苦手としていた。2年前の国内男子ツアー「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」の会場で、丸山茂樹にレッスンを依頼。「うまい人に聞くのが上達への一番の近道。緊張したけど、勇気を持って質問したら、プレーが終わってからだったのに、40分くらいみっちり教えてもらった」。軸の意識、フェースを開いて緩まずにしっかり打つ、といったポイントは今も忘れずに実践している。
トータル3オーバー64位と浮上はならず、悔しさは募る。「あしたは意地でもアンダーで。1打でもいいスコアで上がれるように」。高い壁に挑んでいく。(イングランド・サンドウィッチ/亀山泰宏)