2021年 マスターズ

松山英樹のオーガスタナショナルGCコースガイド/18番(パー4、465yd)

2021/04/08 21:00
正面に見えるバンカーはフェアウェイの左サイド。1Wショットで狭いエリアを打ち抜け(Harry How/Getty Images)

ゴルフの祭典「マスターズ」は4月8日(木)に開幕する。今年で10回目の出場となる松山英樹が会場のオーガスタナショナルGCの全ホールを解説。すべてのパトロンの拍手によって包まれる18番はゴルフ史に残る数々の瞬間を刻んできた。

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高くそびえる木々がティイングエリアの左右を厳かに走る。回廊のようなロケーションは1Wショットに一切の妥協を許さない。「テレビでの見え方よりも、めちゃくちゃ打ち上げ」というつくりが選手を圧迫する。

最初に警戒すべきは左サイドのバンカー。「300ydの1Wショットでちょうど入る。バンカーの真ん中より先に入ると、アゴが高くて大変。残り距離が170から180ydというところ。アゴを越える高さを出さなくてはいけないので、2打目でショートするケースが多い」。グリーン面も見えないショットは簡単ではない。

「普通のコースなら『バンカーを避けて右サイドに打っておけばいいや』となるところが、ここはフェアウェイでも右サイドだと(2打目で)右側の木が邪魔になる」。左のバンカーも、右の林も越える飛距離を持つ選手でなければ、とにかくセンターポジションをとることが求められる。

オーガスタナショナルGCの18番。グリーンを狙うにはどのエリアからも打ち上げになる

バンカーの横からは打ち上げを入れてピンまで185yd前後。「グリーンは縦が35ydあるが、横は15ydくらい。打ち上げで160yd以上の距離があると、横幅がほとんどないように、すごく細長く見えるんです」。手前と右サイドにあるバンカーも深く、2段グリーンのフロントエッジギリギリにはボールは止まらず、転がって戻ってくる。

松山の頭の中にも72ホール目の明確な攻略イメージがある。「最終日は左手前のいつものピンポジション。ティショットをフェアウェイセンターに置いて、このピンの右の奥に打つのがセオリーかなと。左からのアプローチは上って下るのでなかなか寄らない。外すとしても右側が良い」

歓喜のフィナーレは訪れるか。いよいよ、10回目のマスターズだ。

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