2021年 マスターズ

祖父が83年前に「マスターズ」出場 全米アマ優勝者の系譜

2021/04/06 19:05
練習ラウンドに臨んだ大会初出場のタイラー・ストラファシ(Kevin C. Cox/Getty Images)

◇メジャー第3戦◇マスターズ 事前情報◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7475yd(パー72)

1934年に記念すべき第1回大会が行われた「マスターズ」は今年で85回目。2020年「全米アマチュア選手権」優勝の資格で、大会初出場を決めたタイラー・ストラファシだが、彼と「マスターズ」の縁は深い。

タイラーの祖父、フランク・ストラファシは1938年と1950年の2回、アマチュアとして「マスターズ」をプレーしている。タイラーの父親のオフィスには、当時の選手バッジが今も大切に飾られているという。

38年当時、フランクは「マスターズ」に出たものの、初日で棄権。その理由はノースカロライナ州パインハーストで開催される「ノース&サウスアマチュア選手権」に出場するためで、見事その年から2連覇を成し遂げている。「もし自分がそうしたら、二度と(マスターズに)招待されないと思う」と笑った。

「マスターズ」創設者のボビー・ジョーンズと同じジョージア工科大学出身で、スポーツだけでなく、学業においても優秀な成績を収めた生徒・男女各1人に贈られる「ボビー・ドッドアワード」を2019年に受賞。「一生懸命努力して、ライフスタイルを変えた」と“球聖”と同じく文武両道を実現している。

昨年大会に出場してローアマを獲得したアンディ・オグルトゥリーも同大学出身で、タイラーとはルームメイト。昨晩、「特別な大会だから一週間楽しむように」とメールが送られてきたという。「楽しみたい。今週はただ、ゴルフ愛のためだけにプレーする。僕はアマチュアだし、失うものはなにもないんだ」と開幕の木曜日を心待ちにする。

「全米アマ」優勝者は、予選ラウンドでディフェンディングチャンピオンと同組になるのが慣例。そのダスティン・ジョンソンには、昨日のうちに挨拶を済ませてきた。「彼はとてもナイスガイで歓迎してくれた。自分にとって、そうすることは大切だった。スタートティに上がった時に、彼のことを少しは知っているからね」

今夜はクラブハウスの屋根裏部屋、クロウズネスト(カラスの巣)に泊まる予定。近々プロ転向するタイラーにとって、アマチュアとしてオーガスタを満喫する最後の一週間になる。

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