2021年 マスターズ

松山英樹のオーガスタナショナルGCコースガイド/15番(パー5、530yd)

2021/04/05 18:30
画像の右側からグリーンを狙う。手前は池、そして奥の池にも注意(AndrewRedington/GettyImages)

ゴルフの祭典「マスターズ」は4月8日(木)に開幕する。今年で10回目の出場となる松山英樹が会場のオーガスタナショナルGCの全ホールを解説。最後のパー5はグリーンの手前に池が口を開け、冷静な判断力とリスクを背負った勇気が試される。

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「マスターズ」の創始者でオーガスタナショナルGCの設計にも携わったボビー・ジョーンズには「パー5は優れた選手であれば2打で届くホールであるべき」という信念があったという。15番も現代のトッププロにとっては短いパー5の部類に入る530yd。優勝争いを勝ち抜く選手は取りこぼせない。

「風向き次第で、ここもティショットのエリアが意外と狭い」と松山。「フェアウェイの幅自体は広いが、ティから340yd付近にある左側からの木が気になる。2打目をフェアウェイのど真ん中から打っても邪魔。だから、右サイドに打って行きたい」

グリーン手前の池の左側にかかる橋「サラゼンブリッジ」は1935年、ジーン・サラゼンがアルバトロスを達成したことから名付けられた。当時の残り距離は235yd、握ったのは4Wだったという。今では2オンを狙うクラブが「4アイアンか5アイアン。フォローの風を受けるときは6、7アイアンで打てるときもある」というから進化を感じてやまない。

グリーン手前の池の左側には「サラゼンブリッジ」がかかる。縦幅の短いグリーンを攻められるか

そうは言っても、2オンが保証されたわけではない。「グリーンは砲台型になっていてフロントエッジから5ydはボールが止まらず、手前の池に入る。縦幅の許容範囲は15ydくらい。手前だけでなく、グリーンの奥は下っているので向こうの16番ホールの池に入らないように注意が必要」

「とくに奥からは打ち上げのアプローチが、グリーン面にのった瞬間にサーッと下っていく。最悪の場合は反対側(15番ティに近い)の池に入る。そこはものすごく警戒します」。とくに右奥から左手前にかけての下り傾斜が激しく「どうしようもないくらい速い…」と嘆くほど。「タイガー・ウッズが2019年に勝ったときは、左のピンポジションに対して、ショットでセンターを狙った。そこからきっちり2パットでクリアしていくスゴさがある」。一見、地味なようなプレーにもトッププロには驚くポイントがある。

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