松山英樹のオーガスタナショナルGCコースガイド/8番(パー5、570yd)
ゴルフの祭典「マスターズ」は4月8日(木)に開幕する。今年で10回目の出場となる松山英樹が会場のオーガスタナショナルGCの全ホールを解説。グリーン周りにバンカーがないパー5は世界的にも珍しい。打ち上げの8番は別の部分でワナを仕掛けている。
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2020年大会の平均スコアは「4.83」と全体で15番目の難度だったが、イーグルは4日間で1つしか出なかった。第1打は右ドッグレッグ、2打目以降は左ドッグレッグという見え方の、“S字”のパー5で2オン成功は至難の業だ。
「ティショットは左の林を狙って打つような感じになる。ここも右サイドのフェアウェイバンカーが深く、アゴに近い位置からの2打目は距離を出せない」。3打目を前に、どうしても越えておきたい難所がある。それが「グリーンエッジまで残り120~130yd地点にある大きなこぶ」。この手前からのショットはグリーン面が見えず距離感をつかみづらい。
第1打はフェアウェイバンカーの左が落としどころ。「ただ、左サイドからの2打目はグリーン手前の大木が邪魔で、大きなフックをかけていく必要がある」。タイガー・ウッズをはじめ、フォローで体を大きくひねるフィニッシュを見せる選手も多い。
グリーン周辺にはバンカーも、ペナルティエリアもない。それでも一般的なパー5とは違うのが、必ずしもグリーン周辺から寄せるのが得策とは言えないところだ。
「グリーンが縦長で、特に右横からのアプローチは狙えるスペースが本当に狭い。2日目、3日目に切られることが多い右の奥のカップ周辺は“馬の背”のようになっていて、左右3yd、縦5ydくらいしかないところに止めなくてはいけない。ある程度、距離を長く残したほうが寄る可能性がある」
イーグルの数が少ないのは、そもそも2オンを狙うプレーヤーが比較的少ないから。「ティショットをフェアウェイバンカーに近いサイドに打って、セカンドでグリーンの手前を狙うのが最高のルートです」