マスターズのボイコット要求 ジョージア州「投票制限法」成立で公民権団体
2021/03/28 09:13
米ジョージア州で黒人などのマイノリティを標的にしたとされる投票に関する制限法が成立したことを受け、米国の公民権運動団体が、州内のオーガスタで行われるゴルフの祭典「マスターズ」の開催中止をPGAツアー(米国男子ツアー)などに呼びかけ、選手に大会をボイコットするよう求めた。今年のマスターズは4月11日(木)に開幕する。
ジョージア州では25日、郵便による不在者投票時の身分証明の厳格化、投票箱や投票時間の制限を盛り込んだ法案が可決。共和党のブライアン・ケンプ知事が署名し成立すると、ジョー・バイデン大統領は、一部の有権者の投票行動を抑制する恐れを指摘して批判した。
USAトゥデイが報じたところによると、黒人の人権保護を掲げる団体「ナショナル・ブラック・ジャスティス・コーリション」のデビッド・ジョンズ氏は「ジョージア州の投票アクセスを制限する新しい法律は、公民権運動の時代に逆戻りさせるもので、黒人や貧困層、すでに権利を奪われた有権者を2流の階級に再びおとしめるものだ」とコメント。
オーガスタナショナルGCで行われるゴルフの祭典を2週後に控える中、「PGAツアーとマスターズはいずれもゴルフの多様性を認め、この国の人種的不平等に対処することを約束している。彼らが声を上げるだけでなく、行動で示すことを期待する」とした。ツアーとマスターズ委員会は現段階でコメントしていない。
新法の成立を受け、メジャーリーグでは7月に同州で行われる予定のオールスターゲームの開催地を移す声が出ている。ナ・リーグの監督を務めるロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は会場変更がなければ、出場を辞退する可能性を示唆した。