松山英樹のオーガスタナショナルGCコースガイド/2番(パー5、575yd)
ゴルフの祭典「マスターズ」は4月8日(木)に開幕する。今年で10回目の出場となる松山英樹が会場のオーガスタナショナルGCの全ホールを解説。2番はスコアを伸ばして勢いづきたいパー5。ティショットの成功が攻略ポイントの多くを占める。
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タフな1番ホールを抜けた後、オーガスタではパー5の2番、距離が短いパー4である3番でスコアを伸ばすと勢いづく。2020年大会で、18ホールのうちもっとも易しかったのが平均スコア「4.4669」の2番だった。
松山も「バーディ、イーグルを獲りたいと考える」。そのためには第1打でティから298yd先にある「右サイドのフェアウェイバンカーに入れないこと」が注意点の一番に挙がる。「深くなっているので、アゴが近いエリアから2打目を打つと、ボールを飛ばせても160ydくらい。フロントエッジまで90ydくらいの3打目が残る。そもそもキャリーで310yd出せれば、関係なく越えるバンカーなんですけどね…」
ティイングエリア後方からの「テレビの映像では見えにくい」というのが、右を避けた場合の逆サイド。「ティから約300yd地点、左ラフから右のフェアウェイバンカーまでのフェアウェイ幅は25ydくらい。そのうち左ラフから15ydの範囲をストレートボールで狙おうとすると、左からの木が邪魔になる。フェードヒッターだったら木のラインのギリギリを攻める必要がある。ドローボールをしっかり打つことが大事」
第1打が成功した際には一気に攻め込みたい。フェアウェイからの2打目はアイアンで届く距離になる。右バンカーの横からは残り245yd前後で、15yd近く打ち下ろす。「左足下がりのライから、ガードバンカーに挟まれたグリーン手前の細長いエリアを狙っていく」。グリーンのスロープを使ってピンに寄せていくショットには毎年大きな歓声が沸く。
グリーンは最も高い左奥のエリアにピンが立つ日は難しい。「グリーンが軟らかいときはチャンスにつけられるが、硬くなると“左足下がりのつま先下がり”のライから狭いエリアに落として止めるのはなかなか大変」。右手前にかけて強い全体傾斜があり、チッピングでも豊富な経験とイマジネーションが求められる。