2021年 WGCワークデイ選手権

帰国後は東京→鹿児島を陸路で それでも稲森佑貴はフロリダに来た

2021/02/25 14:42
コロナ禍の苦労を上回るものを得られるか!?

◇世界選手権シリーズ◇WGCワークデイ選手権 事前情報◇ザ・コンセッションGC (フロリダ州)◇7474yd(パー72)

6大ツアーのトップ選手で争われる世界選手権シリーズ(WGC)。稲森佑貴は昨年の日本ツアーの賞金ランキング上位者(1位)の資格で出場する(シーズンは2021年末まで)。コロナ禍での出国、大会出場のため日米でPCR検査を重ねてフロリダのコースに乗り込んだ。

初めての米本土で現地に滞在するのは約1週間だけ。帰国後は感染拡大防止を理由に公共交通機関を利用できないため、東京・羽田空港から地元の鹿児島まで自動車で移動するつもりでいる。最低でも1350kmの道のり。「僕は“元・車中泊”」と10代の頃はキャンピングカーで国内ツアーを転戦していたこともあるが、「体がどうなるか。(トレーニングの)『全てがゼロになりました』ってトレーナーさんに連絡するかもしれませんね」と苦笑した。

その苦労を上回るだけの得るものが、WGCにはあると考えて来た。予選落ちのない4日間大会は優勝賞金が182万ドル(約1億9275円)、最下位(73位)に終わっても3万1500ドル(約333万円)の賞金が保証されている。金銭だけではなく、ここは全てが「学びの場」。過去に「ソニーオープンinハワイ」(2019年)で経験した芝とも、コースのデザインもまた違う。

稲森佑貴は初めて米本土での試合に臨む

「テレビでは伝わりにくいかもしれないけれど、グリーンの傾斜もすごい。ショットが少しでもズレると相当タフな状況になる。こういったコースセッティングで回れるのは楽しい」

2018年に出場した中国での「WGC HSBCチャンピオンズ」では79人中73位に終わり、悔しい思いをした。昨年「日本オープン」で2勝目を挙げた分の成長も感じたい。

広大なコースを見渡し、「自信はありますよ、ここまで広ければ」と言ったのは得意のフェアウェイキープのこと。「でも、そこからです。僕の飛距離では番手が長くなる。グリーンもポテトチップス型で傾斜も強く、どこに落とすかが大事。結構止まるので、ウェッジだとスピンでどこかに行ってしまうかもしれない」。緊張感を緩めることなく72ホールを戦い抜く。(フロリダ州ブラデントン/桂川洋一)

2021年 WGCワークデイ選手権