「チャンスはすごくある」 松山英樹コースレコード&2位締めでオーガスタへ
◇米国男子◇ビビント ヒューストンオープン 最終日(8日)◇メモリアルパークGC(テキサス州)◇7432yd(パー70)
終盤に自然と飛び出たガッツポーズ。しかも2度。松山英樹は「マスターズ」(ジョージア州オーガスタナショナルGC)開幕を4日後に控えて、緊張感をしっかりと味わった。首位に5打差から7バーディ、ボギーなしの「63」をマークし通算11アンダー。クラブハウスリーダーとなってからカルロス・オルティス(メキシコ)に2打差で敗れたが、2位タイでフィニッシュした。
ひとり、またひとりと脱落していった優勝争いに松山は最後まで残った。勝負どころの16番(パー5)で3m、17番で5mのバーディパットを流し込み、いずれも右手を力強く握った。前日に不安視していたアイアンショットの距離感が劇的に回復。「きのうの後半にちょっと気づいたことがあって、終わった後の練習でうまく(修正)できた」と、思う存分コースを攻め切った。
最終18番では第2打で、グリーン右サイドの狭いエリアから傾斜を使ってピンに寄せた。カップ手前で急激に左に切れた4mのバーディパットに、集まったギャラリーと天を仰いだ。「前半からショットが良くチャンスは多く作れた。ただ、やっぱり入らなかったというところで…。悪いストロークはしていないが、そこが足りなかった」と一歩及ばなかったチャージを悔やんだが、コースレコードタイのスコア、今季初のトップ10を記録した。
次週のメジャーを見据え、初めて出場した大会。ホールアウト後の充実した表情が、得たものを物語る。4日間で21バーディは全体1位。この最終日、パーオンに失敗したのは1ホールだけだった。それをティショットの安定感が下支えしている。「ミスの幅が、すごい狭くなった」と語気を強めた。「ZOZO(チャンピオンシップ/2週前)のときに気づいたことで、試合に出ないと分からないところがあった。今週出て、新たな発見もありました。この順位でプレーできたのは収穫」
「マスターズ」出場は7年連続9回目になる。「ちょっとゴルフの内容が落ち着いてできそうな雰囲気がある。そこは救いだなと思う。このプレーを続ければ、チャンスはすごくあると思うので頑張りたい」。胸を張って、歴史的な秋のオーガスタに乗り込む。