2020年の海外転戦ひと区切り 石川遼は「ショートアイアン」のテーマ継続
◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ@シャーウッド 最終日(25日)◇シャーウッドCC(カリフォルニア州)◇7073yd(パー72)
コロナ禍で国内ツアーのトーナメントがほとんど開催できていない2020年、石川遼はメジャー2試合を含めて米ツアー5試合にスポット参戦した。特に8月の「全米プロゴルフ選手権」以降の3試合は、3月から契約する田中剛コーチと二人三脚で方向性を決めて戦った。
スイングの再構築に加え、課題と語る「100から140yd以内のショット精度」を強みに変えていく作業。練習からコースチェック、マネジメントに至るまで焦点を絞ってのトライだ。
インスタートから1つ伸ばして折り返したが、後半の3ボギーで「74」。この日のスコア、通算5アンダー63位タイという結果以上に着目したのが後半の2打。2番(パー5)では残り108ydからの3打目をピンと同じ段に乗せられず、バーディチャンスにつなげることができなかった。最終9番もフェアウェイからのアイアンショットを右手前のバンカーに入れた。「この2打が悔しい。今週の悪い2打だった」と言った。
「まずはできることとして、(いま取り組んでいる)スイング全体を(完璧に)作り上げていくこと、ショートアイアンの距離感」とした上で、ロードマップを示した。「5番ウッドより下でスイングの大きなエラーは出なくなってきた。“コントロールレンジ”とでも言うんですかね、スイング自体をコントロールできるクラブに、3番ウッドが入ってくれれば、次のステップはドライバーかなと思う」
腰を据えた積み重ねによって、見えてきたこともある。「いいときと悪いときの差とか、ずっと同じことに取り組むことによって、自分でも感じることができる。まだ“小さなゴルフ”しかできない状態ですけど、徐々に精度を高めていって、大きいクラブを持っても同じような精度でできれば、みんなみたいにもっと“大きいゴルフ”もできる。まずは、ここからじっくりとゴルフ自体を組み立てていく」。あらためて、決意を示した。(カリフォルニア州サウザンドオークス/亀山泰宏)