ガルシア コロナ禍で亡くした親族に捧ぐ復活V
◇米国男子◇サンダーソンファームズ選手権 最終日(4日)◇カントリークラブ・オブ・ジャクソン(ミシシッピ州)◇7461yd(パー72)
ウィニングパットはやはり目を閉じて決めた。40歳のセルヒオ・ガルシア(スペイン)が2017年「マスターズ」を制して以来のツアー11勝目。家族を持ってから初となる米ツアー優勝に、ホールアウト後のテレビインタビューでは、その目に涙をうるませた。
「最高だよ。本当に素晴らしいこと。自分の家族やスペインの家族にアメリカでの優勝を見てもらうことができた。みんなのおかげだ。新型コロナウイルスで叔父を2人失ったから、父にとっては大変だったけど、今回は父のため、彼らのために勝ちたかった」
首位タイから出た最終日。後半14番でフェアウェイから残り259ydの2打目を5Wで打ってピン1mにつけてイーグルを奪って抜け出した。「63」をマークして通算18アンダーで先にホールアウトしたピーター・マルナチと首位に並んで迎えた最終18番は、残り101ydの2打目を8Iで80㎝に寄せた。バーディパットで勝利を決めると目を開けて、静かに拳を握った。
自身の勝利は2019年9月の欧州ツアー「KLMオープン」以来。米ツアーでは昨シーズントップ10入りがわずか1回。ポイントランク50位以内を逃し、プレーオフシリーズに進出できなかった。それでも、マスターズ制覇後に結婚したアンジェラ夫人、2018年に誕生した長女アザレアちゃん、そして今年4月に生まれた長男エンツォくんが強い支えとなってきた。
「普通だったらヨーロッパにいる時期だったが、新型コロナウイルスの影響で私の中で変化があった。スケジュールが少し空いていて、いくつかのトーナメントに参加できるようになった。この大会に出場できて本当に良かった」
2000年代、2010年代、2020年代それぞれの年代で優勝を果たしたのはツアーで78人目。今大会を通じて話題となった目を閉じてパッティングするスタイルについて、「目をつぶっているのは、たぶんいまの自分にとっては普通のこと。心配しないで。(これからも)目をつぶってやると思うから」。1カ月後には「マスターズ」が控える。3年ぶりの復活優勝で「自信がついたのは間違いない」と言い切った。