モリカワらと同期 遅れてきた“黄金世代” ジャスティン・サーが追う背中
◇米国男子◇コラレスプンタカナリゾート&クラブ選手権 2日目(25日)◇コラレスGC(ドミニカ共和国)◇7666yd(パー72)
スタート地点で肩を並べていたはずのライバルたちは、いつの間にか背中も見えなくなった。23歳のジャスティン・サーは淡々と現状を受け止めている。「彼らは飛躍した。プロ転向して間もない頃、彼らのゲームはしっかりとまとまっていた。僕は手首のケガで停滞した。少しだけど、(手首の負担にならないように)スイングも変えたんだ」
「彼ら」とは、同じ時期にプロ転向したコリン・モリカワ、マシュー・ウルフ、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)のこと。昨年6月の「トラベラーズ選手権」ではアマチュア時代から輝かしい実績を残してきた注目の若手4人として一緒に会見もセッティングされた。
プロ入り3戦目で早々に優勝したウルフは前週「全米オープン」でも最終日最終組を回って2位フィニッシュ。初タイトルこそウルフに先を越されたモリカワは、8月の「全米プロ」を勝ってメジャーチャンピオンになった。ホブランも2月の「プエルトリコオープン」を制し、プレーオフシリーズの最終戦まで生き残った。
「大学で切磋琢磨した仲間のメジャー優勝を見ることは素晴らしい。マット(ウルフ)は全米オープンで2位に入って、コリンはPGA(全米プロ)で優勝したばかり。コリンとは数週間前に18ホールの試合を一緒にプレーしたよ」
同世代の快進撃を素直に称えつつ、世界アマチュアランキング1位にも輝いた南カリフォルニア大出身のスター候補は地道に歩みを進めている。コロナ禍でPGAツアーラテンアメリカなど“3部”相当のインターナショナルツアーは再開の見通しが立たず、代替措置として8月から米国内で8試合のシリーズを実施。その「ローカルIQシリーズ」で3度のトップ10入りとブレークのきっかけをつかみつつある。
本来昨季にあたる3月に開催されるはずだった今大会も、延期に伴う特例として優勝者に2021年4月の「マスターズ」出場権を付与するなど“格上げ”しての開催。千載一遇のチャンスで連日「67」をマークし、首位と2打差の通算10アンダー2位タイで折り返した。
近年ではジャスティン・トーマスやジョーダン・スピース、ザンダー・シャウフェレらを輩出した「2011年高校卒業組」に匹敵する当たり年ともいわれている世代の一角に名を連ねられるかは、プロでの活躍次第。「きょうは自分にA評価をつけられるよ。残り2日間もゲームプランに沿って戦っていきたいね」と充実感を漂わせて週末に臨む。