30回目のメジャーは伸ばせず終戦 松山英樹「残念としか言えない」
◇メジャー第1戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(9日)◇TPCハーディングパーク(カリフォルニア州)◇7251yd(パー70)
「自分が思う理想のラウンドができれば、まだチャンスはある」。5打差逆転の条件だった日曜日のチャージはならなかった。松山英樹は4バーディ、2ボギー1ダブルボギーの「70」と伸ばせず、通算4アンダー22位。自身30回目となった今季唯一のメジャーを終え、「残念としか言えないですね。ショット、パットとも、もっともっと精度を上げないと厳しい」と悔しさをにじませた。
1番で4.5mをジャストタッチで決めてバーディ発進も、ティショットを左のフェアウェイバンカーに入れた2番でグリーン奥に外してボギー。その後10ホール連続でパーが並んだ。
セカンドショットで左の木の根付近から大きくフックをかけてグリーン手前のバンカーまで運んだ7番、難度2位の8番(パー3)、同1位の9番と3ホール連続の“寄せワン”で必死のパーセーブを連発した一方、2つのパー5で伸ばせず、大混戦の様相を呈していたサンデーバックナインの優勝争いからは引き離された。
ボギー直後の14番で手前エッジから5.5mをパターで沈め、一気に3連続バーディと意地を見せたが、最終18番は1Wショットを左のラフに入れ、3打目のアプローチもピンサイドの左バンカーへ。「17番までどうにか粘っていたけど、最後にまた大きなミスをして、18番で一番避けなければいけないダブルボギーを打ってしまった」と視線を落とした。
「久々にショートゲームが良かったので、これくらいの順位で終わっている。そこが悪かったらどうなっていたんだろうと恐ろしいことが頭に浮かぶ」と振り返る。4日間のフェアウェイキープ率35.71%はフィールド76位。ラフから打つ機会が多くなったことで自慢のアイアンに負担がかかり、パーオン率も68位の55.56%にとどまった。
手に残るショットの感触からは前進を感じ取ってもいる。ただ、「それは毎週感じている。結果につながらないということは、何かが良くないということ」。現状をシビアに見つめ、無観客となったメジャーの雰囲気にも「自分のプレーをするために、それ(無観客)は関係ない。うまくプレーできないのは自分の実力」と話し、すべてを受け止めた。
2週後にはプレーオフシリーズが始まり、シーズンをまたいで9月「全米オープン」、11月「マスターズ」も近づいている。「いい感じでプレーはでき始めているとは思う。その精度を上げて、この2週間でわかったことをクリアにして、プレーオフシリーズ、その後の大きなメジャーに向けて調整していけたら」。異例のシーズンは、すぐに雪辱の大舞台が待っている。