米国男子ツアー

ゴルフきょうは何の日<7月18日>

2020/07/18 06:10

1999年 カーヌスティの悲劇

ラフは深く過酷だった…悲劇の主役となったジャン・バンデベルデ(Getty Images)

スコットランド東部のカーヌスティで行われた「全英オープン」。最終日にゴルフ史に残る悲劇が起きた。

2位に3打差をつけトップに立っていたジャン・バンデベルデ(フランス)。ダブルボギーでも優勝する最終18番の第1打は右隣の17番ホールへ飛んだ。当時欧州ツアー1勝、無名のバンデベルデのメジャー初優勝を大会側は疑わず、観客に最終組の後ろを歩くことを許可していた。

果敢にグリーンを狙った第2打は観客席に当たり深いラフに落ちた。異様な空気が包む。第3打はひざ下まであるラフにやられ、バリーバーン(小さな川)へ。ウォーターショットを試みようと靴下を脱いで川に入るが、次第にボールが沈み断念した。

3打リードした18番でトリプルボギー。ウォーターショットを試そうとしたが断念した(Getty Images)

ラフにドロップし、第5打はバンカーに入る。かろうじて第6打をグリーンにのせ1パット。トリプルボギーでポール・ローリー(スコットランド)、ジャスティン・レナードとの4ホールのプレーオフに残ったが、ローリーに優勝を譲った。

ローリーは10打差を逆転するメジャー記録を作った。その裏で、悲劇の主役バンデベルデは「たかがゴルフじゃないか」との言葉を残し、会場を去った。