米国男子ツアー

白人のみ入会「歴史の失敗」 米ゴルフ団体が賞の名称を変更

2020/07/03 17:00
シフォード氏(右)が入会を勝ち取るまで米国プロゴルフ界の白人主義は続いた(Stuart Franklin/Getty Images)

全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ)は2日、プロゴルファーの教育・発展に貢献したクラブプロを称える「ホートン・スミス賞(アワード)」の名称を変更したことを明らかにした。人種差別への抗議運動が活発な情勢を受け、かつて白人のみのプロ入りを認めていた時代に同協会会長を務めたスミスの名を博したタイトルを改めたとみられる。

1934年に第1回の「マスターズ」(当時はオーガスタナショナル・インビテーション・トーナメント)王者で、大会2勝をマークしたスミスは、キャリアで通算32勝を記録。引退後はPGAの競技委員のほか、52年から54年にわたって協会会長に就いたが、当時の入会資格は白人のみに与えられ、規則は61年に黒人のチャーリー・シフォードが入会するまで続いた。

スミスは1963年に55歳で死去し、90年には世界ゴルフ殿堂入りを果たした。スージー・ウェズリー現会長は「賞の名称を変更するに当たり、協会はPGAのメンバーバッジを手にしてゴルフを発展させるという多くの人の夢を排除するという結果を招いた、私たちの歴史における失敗の責任を取る」と、かつての慣例を反省した。「ゴルフを成長させるミッションの一部に必要なのは、すべての人を受け入れ、多様性をもたらすこと」と話した。

1972年に制定された同賞は「PGAプロフェッショナル・ディベロップメント賞」を新名称にした。