無観客に「違和感なし」も…松山英樹は復帰戦で予選落ち危機
◇米国男子◇RBCヘリテージ 初日(18日)◇ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)◇7099yd(パー71)
復帰ラウンドに漂う悪い予感を覆せなかった。新型コロナウイルス感染拡大のため中断していたシーズンが前週リスタートしたPGAツアー。2戦目で主戦場に戻った松山英樹は3バーディ、4ボギー1ダブルボギーの「74」で回り、3オーバーの134位。首位と10打差の出遅れに悔しさをにじませつつ「こんなもんじゃないかなという感じ」と受け止めた。
首位発進を切りながら中止となった3月「プレーヤーズ選手権」以来の実戦。1番、3カ月ぶりに放ったティショットは3Wで右の林方面に曲げた。2mのパットを外してボギー発進。直後も右に流れるボールが多く、前半アウトの見せ場は、UTで2オンに成功してバーディを奪った5番(パー5)にとどまった。
バンカーのふちでわずかに“目玉”になった12番で4つ目のボギーをたたき、3分の2を消化した時点で3オーバー。「ちょっとしたことが、なかなかうまくいってくれない」。アイアンで3mのチャンスを作った13番、左サイドにそびえる木々をものともせずUTでグリーン手前まで運んだ15番(パー5)で、バーディを決めた。
痛かったのは続く左ドッグレッグの16番。3Wでの第1打が左の深いラフにはまり、3オン。パーセーブに失敗すると、50㎝強の返しを外して3パットのダブルボギーとし「ボーっとしながら打ってしまって、外しているようじゃ話にならない」と反省した。
開幕前に下した自身の調子への評価は低かった。「良くはなってきているが、試合になるとうまく打てないというか」とショット、パットともに実戦への不安を抱えたまま。「やっぱり結果が出ないと悔しい。パットも、良かったものを特段(スタイルを)変えているわけではないが、(微調整で)悪くなったり、良くなったりする。波が大きすぎるので、小さくできるようにしたい」
5月末に渡米し、フロリダの自宅で2週間の自粛期間を経て迎えた今大会。初めて味わう無観客試合で、リゾートコース内の家々から時折声援が飛ぶ程度だが、「あまり違和感はなかった」という。ツアーの感染拡大防止ガイドラインに従い、普段はショットの後にキャディに預けるクラブを自らバッグに入れるシーンもあった。「できるだけ(同組の)ふたりの後ろを歩かないようにはしていた。どういう状況でかかるか(感染するか)分からない。でも、そんなことしていたらゴルフに集中できないかなと思う。あしたは切り替えて頑張りたい」
この日は前半にスタートした選手が好スコアをマークし、上位を多く占めた。松山から予選カットライン(上位65位タイまで)までは5打差ある。「(2日目のスタートは)朝が早いし、良いスコアで回って、予選を通れる位置で終われたら」と巻き返しを誓った。