モリカワは1mのパットに泣く 3度目の「ホーガン・ファイナリスト」
◇米国男子◇チャールズ・シュワブチャレンジ 最終日(14日)◇コロニアルCC(テキサス州)◇7209yd(パー70)
「1年前、大学にいたころとそう大きな違いはなかった」と無観客試合を振り返ったコリン・モリカワは、幕切れを静かに受け入れた。プレーオフ1ホール目の17番で1m強のパーパットがカップの右フチに蹴られ、勝利をダニエル・バーガーに献上。ツアー2勝目を逃して両手をひざに預けた。
1打差の2位から「67」で回った大混戦の最終日、モリカワが悔やんだパーパットはもうひとつ。単独トップに立った直後の12番で1mを外した。3カ月ぶりの実戦で「今週は本当に良かった」というグリーン上でのプレーのわずかなほころびが勝敗に直結した。
米ツアー通算64勝(メジャー9勝)のレジェンド、故ベン・ホーガンの庭として知られるコロニアルCC。モリカワは今回が大会初出場だったが、「残念だけど3年連続で“2位フィニッシュ”みたいな感じだよ」と吐息交じりに言った。カリフォルニア大学バークレー校時代の2018年と19年、全米の大学ナンバーワン選手に贈られるベン・ホーガン・アワードの最終候補どまりで、いずれも受賞できなかった。とはいえ、悔しさは今回が格別。「一番キツイ。自分で完全にコントロールできたから。ほろ苦い」
今週で昨年6月のプロデビューから21試合連続で決勝ラウンドを戦った。3カ月のシーズン中断後も、高いレベルでパフォーマンスを維持して次週の「RBCヘリテージ」(サウスカロライナ州・ハーバータウンGL)にも出場する。
今大会は米主要プロスポーツで最初の再開ゲームとしてゴルフ界の内外から注目を集めた。現段階で陽性者は出ていなくとも、油断はできない。
「1週プレーできたからと言って、パーティに行けるようになるわけでも、すべてのことが以前のようにできるわけでもない」とモリカワ。「ガイドラインに従って安全に、お互いの距離を保ってルールを守る。(ウイルスは)誰が持っていて、誰が持っていないのか、それが症状なのか、あるいは無症状なのかも分からない。ツアーでのプレーを続けたいからこそ、自分の周囲の状況を認識しておく必要がある」。23歳にしてプロとしての自覚は十分だ。