メジャー最終戦を制したタイガー・ウッズの喜びの声(第2部)
(第1部からの続き)
記者
「ゴルファーには色々な要素がありますが、体力、技術、精神面、そして、経験とそれぞれの部分で2000年と比べた時、今のあなたの方が優れていると思いますか? 特に、どの部分が向上しましたか?」
タイガー・ウッズ
「経験を積んだお陰で、随分成長したと思います。状況判断にしても、コースマネージメントにしても、2000年の私とは比べ物になりません。打てるショットの種類も増えています。とっさの場面で応用が利くのも、経験のお陰です。多分、7年後も同じ事を言っていると思いますよ。今の自分より、ずっと成長しているはずです。この7年間で、何度もメジャーで優勝争いをしてきたからこそ、プレッシャーのかかかった優勝争いの場面で自分の力を発揮できるようになってきたのだと思います。」
記者
「2つ質問があります。個人的なレベルで、先週の「WGCブリヂストンインビテーショナル」での優勝と、今週のメジャー大会での優勝は、どう違うのでしょうか? そして、8番ではガッツポーズの後、足をくじいたんじゃないかと思いましたが大丈夫でした?」
タイガー・ウッズ
「先週は、WGCというビッグイベントでの優勝でした。まず、会場のファイヤーストーンとは相性がいい事が良かったですね。最終ラウンドは、スタートからショットとパットがかみ合って、優勝争いをしていたロリー・サバティーニにプレッシャーをかけることが出来ました。幸い、サバティーニがそれまでのような良いプレーが出来なかったので、大量リードを奪うことが出来ました。今日は二人の選手が追い上げてきましたから、また状況が違いましたね。8番を終えて2アンダーでしたからスタートは良かったのですが、後半は自分のミスで窮地に立たされました。それでも、その後は何とか持ちこたえてリードを守り切る事が出来ました。8番ですが、あそこは大きく曲がるスライスラインで、あまりにも興奮して思わず大きなガッツポーズが出てしまったんです。別に大丈夫でしたよ。」
記者
「今日はどの時点で守りのゴルフをやめて、攻めのゴルフに変えたのですか?」
タイガー・ウッズ
「14番を終えて1ストロークのリードがありましたが、あと、4ホール残っていました。オースティンとエルスは難しい上りホールに差し掛かっていましたし、16番と18番ではまずバーディは考えられません。唯一チャンスのある17番でも、ピンの位置が難しいので正確なアイアンショットが要求されます。だから私は、残りの4ホール全てで少なくともバーディチャンスに付けよう、今日のパッティングの調子なら、絶対に一つか二つはパットが入ると信じてプレーしました。そして15番では、ティショットも2打目もうまく行きバーディが取れました。16番はラインを読み違えましたが、17番と18番ではいいパットが打てました。今回はリードがあったので、バーディを取りに行くというような作戦に変える必要はありませんでしたね。」
記者
「娘さんの誕生、そして今回の優勝、本当におめでとうございます。タイでは、今日は母の日なのですが、あなたを尊敬するタイの子供たちにメッセージを御願いします。」
タイガー・ウッズ
「タイに行く時は、毎回ジュニアクリニックを行っていますし、母はバンコクでシェルターの運営にも協力しています。タイの恵まれない子供たちのために少しでも力になれたらと、常日頃思っているんです。公にはあまり知られていませんが、私の母はタイの子供たちのために、一生懸命チャリティ活動を行っています。私もそんな母を尊敬しています。」(第3部に続く)