PGAツアー選手は苦渋の決断を支持 大会中止と「マスターズ」延期
4月上旬までの米国男子ツアー(PGAツアー)5試合が中止、メジャー初戦「マスターズ」が延期(時期未定)されたことについて、選手たちは一様に納得の表情を浮かべた。2日目以降のプレーが突然中止となった「ザ・プレーヤーズ選手権」の会場で、世界ランキング4位のジャスティン・トーマスらが報道陣に対応した。
トーマスは「もちろん個人的にはプレーしたいが、こういう状況だ。様々な要因や考えがあってのこと。誰も延期や中止など望んでいない」と主催者の決定に理解を示した。開催時期が未定になったマスターズについては「大好きな試合だからプレーできる望みを持ちたい。いつだっていい。勝つためにプレーできるなら気温が華氏25度(-3.89℃)で、誰もいなくても構わない」と話しつつ、「現時点では家に帰って数週間、何をすべきかを考えている」と視線をツアー再開のときに向けた。
今週、トーマスはリッキー・ファウラーと宿舎をともにし、前夜はジョーダン・スピースを交えて夕食をとった。「でも僕たちにできることは何もない、電話でコミッショナーやツアーからの連絡を待つしかないと話していたんだ」。他のスポーツ界でも中断が相次ぎ、13日にはドナルド・トランプ米大統領が国家非常事態を宣言した。ファウラーは「たかがゴルフで稼げるのは本当に特別なこと。でも外の世界では、スポーツやゴルフよりも人生のほうがよっぽど大切だ。試合が中止されたり、延期も仕方がない。もっと大事なことはたくさんある」と話した。
ジェイソン・デイ(オーストラリア)もツアーなどの決定を「納得すべきもの。米国だけでなく他国でもスポーツリーグが中断されていることを考えれば明らか」と支持した。荷物整理のため訪れたコースを出る5分ほど前にマスターズの延期も知り、「今はみんなが(ゴルフ界の混乱で)ナーバスになっているけれど、まずは選手だけではなく全人口の安全と健康を考えることが必要」と冷静に話した。
ひとまずはオハイオ州の自宅に帰るつもり。「メディアやSNSでたくさんの人々が(それぞれに)推奨する情報があるけれど、健康機関の言うことに耳を傾けて、ウイルスの拡散を止めることを理解しなくてはいけない」と周囲の安全を第一に考えていた。(フロリダ州ジャクソンビル/桂川洋一)